>>92
(フィールドワーク。その言葉に嘘はない)
(ただ、授業には一切関係なく、サークル活動の一環として)
(都市伝説の検証をしている。サークルの長が変わった人物で)
(『都市伝説の裏付けでもなんでもいいからとってこい。面白い話なら)
(バイト代出してやる。交通費くらいは出してやるからそら行った行った』)

(話の流れとしてはこんな次第だ。琥珀としては、退魔師見習いのつもりなので)
(危険な場所があるなら、事と次第によってはどうにかする算段はあった)
(しかし、これは少しばかり想定とは違うことになりそうだった)

あ、はい。そうですよねー。
(もっともなことを言われて、二の句も告げない)
(傍からどう見えようが、たとえ蛇がにょろにょろしていようがこれが私たちの)
(宴会だと言われれば反論の余地もなく。ましてや、誰かに迷惑をかけているわけ)
(ではない。招かれざる客である琥珀としてはとても立場が弱い)

………?
(あれ?この人もしかして蛇とお話してない?)
(巫女さんと蛇の、言語を使用しない会話を漠然と見守る)
(琥珀にはできないが、他心通で動物と心を通わせる術師もいるわけだし)
(この巫女さんが、何らかの力を用いて蛇たちと繋がっている可能性は高い)

ふ、ふぇぇぇぇ!?
(いきなり何をおっしゃるのですかこの巫女さんは?)
(野球拳。それは宴会芸であり郷土芸能である)
(ルールは今更説明するまでもない)
ぬ、くぅ。酒代、ですか。
(仕送りとアルバイトで生活している大学生には辛い条件だ)
(仮に勝てて情報を得られたとしても、≪本物≫が関わっている話だけに)
(扱いには慎重にならざるを得ない。この巫女さんはどう見ても本物だ)
(条件は悪い。得られるものも決して多くない)

背に腹は代えられませんか。この勝負、お受けしましょう。
(けれど、背を向けることもできなかった)
(彼女が何者なのか、これは何の宴なのか、好奇心がむくむくと湧き上がってきた)

【二度目の、お待たせしました】
【今回はパンツルックですから、もしかしたら男性に見えるかもしれません】
【光の加減や見る角度で印象が異なるかも知れません】
【声は一応女性らしいとは言われるのですが僕っ子だから誤解されるやも知れません】