は、い……
(不思議な程の直感、それは悪い方のものを感じる)
(しかし事は動き始め、アイビーが壇上に出て行く)
(彼女に付き従うはずのメイドのうち二人が自分の両サイドにいる)
(4人のうち、彼女たちが只のメイドでは無い事はこれまででわかっていた)
(荒事向きというべきふたりが自分の側にいる事実は護衛と考えるのが普通だが)
(本来護るべき主人の側が最もつかなくてはならないはずで、そこにすでに違和感があった)
あぁっ!?な、何を……っ!?
(その予感はほどなくして的中する、二人掛りだが、ひとりだけでも十分なくらいの差)
(次いでアイビーの声で聞こえる途轍もなく底無しの感覚を覚える言葉に目の前が真っ暗になる)
(これならせめて奴隷として飼ってくれるだけで良いのに、ここまでの事をするのは何故か)
(いや、初めからそのつもりだったのだと、そう理性は判断し、感情は追いつかない)
あ、アイビー、さ、ま……?
(表情には明らかに怯えが生まれており、暴れるよりも前に衝撃で思考が停止している様でもあった)