笑った……?
(今まで感じる事の出来なかった刹那を切り取りスローになっていく感覚)
(それにより決して遅くはない一撃を前にして不敵に笑う相手が見えては、ゾクリとした感覚が身体を襲う)
(今まさに切っ先が相手のスーツに穴を開けようとするその瞬間、また相手の姿が見えなくなって)
うぐぇ……ッ!?
(お腹に走る鋭い痛み、思わずくぐもった汚い嗚咽を漏らしては自分が攻撃されてしまった事に気付く)
(攻撃の元、下から突き上げようとしていると思われる相手の姿を一目見ようと目を凝らしてみるも……)
ぐっ……、うぅ……ッ、げほっ……!
(痛みが生じてから撃たれたことに気付く、相手の攻撃の一瞬を捉えるなんて夢のまた夢といった状態から一歩たりとも進むことが出来ず)
(スピードタイプでありながら軽いとは言えない一撃の数々に防御もままならない状態では体力が持つのもそう長くはなく)
(……ズサッ、バタリ……)
(相手の気が済むまで殴られ続けては、地面に落ちる頃には徹底的な敗北感を刻み込まれてしまい…)