侍女にかしずかれて入浴するなど何年振りであろうか。
もともと慣れているがゆえに、彼女たちにされるがまま任せきりにする。
ほっそりとしたあばらがうっすらと浮き出るような体に不釣り合いなまでの乳房は旅路にあったといっても信じられぬほど白く。
その大理石の双丘はお椀のような形を保っている。
その大きな双丘と真逆の薄紅色の小さな先端部はのっぺりとていて、縦筋の線があるだけであった。
そのままなだらかな腹部と、その下にあるこれまた無毛のクレバスも童女のように一筋の割れ目があるばかり。
その臀部は旅路を続けてきたためか、引き締まった形の良いアールを描き出していた。
侍女が渡してきたものを身に着けていく。
先端をわずかに隠す程度の黒いブラ。
そしてわずかに秘裂を覆うだけで紐とまがうような細いティーバック。
その上からまとうものは胸と腹部を覆いこそすれ、肩はむき出しで、鼠径部までが表に出るナイトドレスであった。
宝石や刺繍があしらわれ、たいそう高価なのはわかるが、その一方で薄衣は向こうが透けるほどのものであり、鏡に映る自分の姿は薄衣の向こうに自分の裸体が透けて見えるモノであった。
それと用意されたサイハイ丈の黒のストッキングとそろいの二の腕まである長手袋。
そして黒いピンヒールのサンダルをはいたところで、自分はあくまで夫との生活という対価を得るための娼婦で有るということを思い知らされる。
「娼婦か…娼婦ならばこんな格好でもおかしくないか」
自嘲的に呟く。
自領で起きた反乱後、あちこちを放浪する中で、娼婦と呼ばれる職業婦人も目にしてきた。
今の自分は彼女らと何ら大差がない。
寝室に用意された小さなグラスに用意された果実酒にハーブを漬け込んだものを煽る。
コンコン
ノックの音と返事をする前に扉が開かれた。
【おはようございます。ごめんなさいね。寝落ちていました】
【それでは、今夜お会いできるのを楽しみにしていますね。一応レスだけつけておきました。】
【希望の後付けで申し訳ないですが、風呂や、湯上り後の香油、そして今飲んだお酒と催淫効果がありで、簡単に感じるのをなじってもらえると嬉しいのですがいかがでしょうか】
【それではいったんスレをお返ししますね】