ハァ、ハァ……ンンッ、ンァッ……こんな所で……アハァ……駄目……イッちゃう。
(駅を出てそんなに進まないうちにすんなり膣内に入ったローターが、発情し敏感になった膣壁を刺激すれば)
(甘く切ない快感が全身を駆け抜け、脚がガクガクと震えて歩くことさえままならなくなり)
(道路標識の支柱にしがみつき浅く早い吐息を漏らしつつ、堪らえようとしても嬌声が漏れる)
(しばらくじっとしていたが、何とか落ち着いて来た気がして再び歩き出す)
(十歩も進まない内により強い快楽が全身を襲い、背筋を震わせ胸を両脇から寄せるような姿勢のまま絶頂を迎えてその場に蹲ってしまう)
「お嬢さん、どこか具合が悪いの? 大丈夫?」
……あっ、はぁ……は、はい。ちょっと悪酔いしただけですし、家はすぐそこですから大丈夫です……ンッ、ンンッ。
本当に大丈夫ですから…………。
『私、呼び止めてどうしようと言うの? そんなこと考えては駄目』
(蹲って官能の疼きが去るのを待っていると、頭上から優しい男性の声が降り注いで来る)
(視線を向けた莉緒はドキッとして相手の顔をまじまじと見つめてしまう)
(最近帰りの電車で自分に興味を持ちつつ手を出さない会社員と、美緒の痴漢物AVに出ていた中年俳優に)
(雰囲気がどこか似ているように思えただけでなく、声色が痴漢師匠に似ている気もしていた)
(それは媚薬効果がもたらした幻想かもしれなかったが、今の莉緒にはリアルな現実だった)
(「大丈夫」と応えた途端、膣内で激しくローターが動き出して鼻に掛かった甘い声を漏らすが)
(火照った身体を撫でた涼しい風に理性が僅かに戻り、ギリギリの所で押し留め立ち去る男性を見送る)
アンゥ、イヤァ……ン、ンンッ……ハァ、ハァ……ダメェ……アハッ……ンァッ……イクッ……アハァ……イッちゃう……ンッ、ンンゥッ。
(男性が角を曲がり見えなくなると気が抜けて、その場で身体を小刻みに痙攣させ絶頂を迎えてしまう)
(蹲った場所の地面にはポタリポタリと絶頂を迎えた証である愛液が、トロリと糸を引きながら垂れ落ちていた)