>>33
ふう〜っ。
(電車のドアがゆっくりと閉まり、動き始めたGを感じて詰めていた息をゆっくりと吐き出す)
(警戒と気負いでピンと背筋を伸ばして立つ背中に僅かに緊張で強張る)
(優花里には強気に言って見せたものの、電車通学を始めてから女性専用車両にしか乗ったことはなく)
(痴女はもちろん、自分も痴漢に遭ったことは今まで一度もなかった)
(それでも親友を痴漢から守る、それは自分で決めたこと)
(ただ、このまま離れていては優花里を痴漢の魔の手から守ることもできない)
すみません、通してください。お願いします。
(男性と男性の隙間に肩を押し付けるようにして、隙間から見える優花里のいる方向へ向かおうとするけれど)
(自分に背中を向けた背の高い男性は、嘆願の声に気づいていないのか動く気配を全く見せず)
(こちらを向いている父よりは若いが、それでも少し白髪の見える背広の男性に迷惑そうな表情で咳払いをされて)
(周りの乗客にあまり迷惑をかける訳にもいかず、移動を諦めてしまう)
(理絵自身が分かるはずも無かったけれど、無視した男性も咳払いをした男性も痴漢の仲間、鑑賞担当で)
(無視も咳払いも、ターゲットの二人に動かれ位置を変えられては良い映像が撮れないからが理由であった)
キャッ! ごめんなさい。
(電車が揺れ動こうとしていたが故に、いくら新体操でバランスを取るのに慣れていても崩してしまい)
(ドンと背中から背後の男性に当たれば、流石にきちんと躾をされていて出来る範囲で頭を下げる)
[でも、今お尻に当たった硬いものは何?]
(ぶつかったことに慌てつつも、鞄とも違う微妙に弾力のある何かがお尻に一瞬触れたことには気づいていて)
(それが何かを考えてみるけれど、性的経験はほぼ皆無で男性との付き合いもほとんどなくて分からないまま)
(隙間から見えた優花里の表情がいつもと同じなのを見て安堵する)

!!
(何かがお尻に当たってから少し経ち、電車は順調に加速して周期的で無機質な音を奏で始めた頃)
(今度ははっきりと指の感触がスカートの裾に触れてから上へゆっくりと移動して)
(お尻の下の方に触れたかと思うと、触れているのか触れていないか分からないほどの軽いタッチでさらに動くのを感じて)
(もしかしたらとの考えが頭を掠めるけれど、すぐに手の甲が離れるのを感じて)
(警戒に背筋を強張らせつつも、混雑でたまたま手が触れてしまっただけと自分に言い聞かせる)

っ!?
(電車がカーブに差し掛かり、耳障りな金属音を響かせながら大きく揺れれば)
(すでにカーブがあることが分かっていて足に力を入れていても、揺れに身を任せた男性に押されてふらついてしまう)
(その刹那、お尻の右半分を包むように明らかに男性の大きな掌が触れるのを感じて)
(思わず小さな声が混じった吐息を漏らし、背筋がピクリと小さく震えてしまって痴漢に敏感なことを教えてしまう)
ほっ。
(このままお尻を撫でる動きが続くなら相手の手を掴むか、声を出すか)
(周りの乗客にスマホで助けを求めるメッセージを書いて見せようと思ったが、すぐに手が離れるのに気づき小さく安堵の息を吐く)
(でも、またお尻に触れてきたらと考えると、嫌悪で背中が震える気がして身体を強張らせてしまう)

(理絵が痴漢の様子見の接触に翻弄されている間に、隙間から見える親友の優花里が俯き)
(嫌悪と恐怖と何かに耐えるような表情を浮かべ始めていたことには、全く気付いてはいなかった)

【親友の優花里ちゃんの目の前で、いきなり痴漢を受ける姿を見せるのも変かなと思ったので二人を分断にしました】
【あまり複数を動かすのは得意ではないので、優花里ちゃんへの直接的(痴漢視点)での描写はほとんどしないと思います】
【あくまで理絵が垣間見る痴漢されている優花里ちゃんの姿を見る程度ですね】
【ただSNS内での進行度を話したり、進行度を決めても良いです。その辺は臨機応変にということですね】
【淡々と進めるのも嫌いじゃないですけど、今みたいにキャラを作りながら私に興奮しているような描写がある方が好きです】