>>58
ありがとうございます。
えっ!? ブザー……知りませんか?
(電車の大きな揺れは全く想定してなくて、不意を突かれてバランスを崩すと)
(いかに新体操でバランス感覚には自信があっても、どうしようもない)
(躓いたように前のめりになったところを、手を優しく引かれ起こされて)
(少し驚きながら礼を述べるが、油断をした隙に防犯ブザーを抜き取られてしまう)
(さりげなくだったので、バランスを崩したときに落としたのか、抜き取られたのか判断に困って)
(手を取り助けてくれた男性に問いかけてみるけれど、答えは短く否定的なものだった)
(混雑でしゃがんで辺りを探すわけにもいかず、とりあえず今は諦めることにする)
(防犯ブザーに気を取られていて、左の男性と同じように右の男性が距離を詰め)
(右手を自由に動かすだけの空間を詰められたことにも気づいていなかった)

[次の手を考えないと……]
(ブザーを無くし、気づけばスタンガンをもう一度後ろに回す空間は詰められていて)
(少し体を捩り隙間を作ろうと試みてみても無駄な努力になってしまって、次の一手を考え始めようとしたとき)
……ん、んぁ…………ぃゃぁ。
(痴漢の右手が、バランスを崩して僅かに空いたままの太腿の間を縫って進んでくるのに気づいて)
(慌てて太腿に力を込めて阻止しようとするけれど、間に合わず指が秘部の辺りに這ってくる)
(完全に油断を突かれて秘部を雑に強く押し込まれると、ゾクッと背筋を強く震わす感覚が走り)
(相手を喜ばせないためにも、今日はなるべく我慢するって決めていた甘い声が早くも漏れてしまう)
[いやぁ、なんで?? この前より背筋がゾクゾクして……考えが上手く纏められない。
 痴漢を止めさせる次の手を考えないといけないのに……]
(中指が秘裂をなぞられて、クリトリスを押し潰すようにされると強い痺れが沸き上がり身体が疼いてしまって)
……んふぅ……ぁん……んひゃ……ぁ、ぅっ……はぁふぅ……。
(左手で口を押えて声が漏れるのを堪えようとしても、嬌声は止めどなく零れ出て)
(指の動きがこの前みたいな直線的でなく、左右に揺らされたり、引っ掻くようにクリトリスを刺激されると)
(その度に背中がピクリピクリと震えるのと一緒に、ヒクリと柔らかな恥丘の中心にある秘裂も震える)
(すでに性感を掘り起こされ、一度絶頂を味わった敏感な身体は火照り、早くも蕩け始めていて)
(理絵に痴漢に対抗する手段を考える余裕さえ奪ってしまう)
(不規則な攻めで僅かに感覚が開いたときにホッと安堵して、身体に冷たい空気があたって何かを考えようとするけれど)
(また指が動き始めて、火照った体からは早くもしっとりと汗ばんだ肌から少女らしい香りが匂い立ち始める)
[駄目。お腹の奥がキュンとして……またおかしくなっちゃう]
(フルフルと頭を小さく左右に振って我慢しようとした刹那、首筋に吐息が吹きかかるとまたゾクッと背筋が震える)
んぁ……ぁ、ぁん……少し物足りない……くふぅ……なんてある訳……んひゃ……ないじゃない……ふぁっ……。
(耳元で囁かれた声を否定しても、全身火が付いたように快楽に蕩け始めた身体は耳に当たる吐息にすら反応して)
(ゾクゾクと身体を疼かせて、声はいよいよ甘さを帯びて、頬を紅潮させて瞳を蕩けさせていく)
(でも、声がささやかれた時に指の力が緩むと、自分では全く気付いていなかったけれど美しい顔に切ない表情が浮かぶ)