>>65
[いつもと違う時間だから女性専用車両に乗れなかったけど痴漢なんていないよね]
(何かで電車に乗る時間が変われば、痴漢も追ってこないと見たか聞いたことがあって)
(寝坊したせいもあるけれど、レギンスも少し蒸れるパンティタイプのタイツも穿かないで)
(前回、自分がイカされた車両の同じドアであることにも気づかぬまま、全く背後に注意を払わずに完全に無防備で油断していた)

ひゃっ!!
[嘘。痴漢なの? この触り方同じ痴漢、なんで時間も違うのに]
(リラックスした表情で今度大会で使う音楽を聴きながら、頭の中で演技をシミュレートして)
(いつの間にか自然と身体でリズムを取っていた動きが止まって、驚きに目が大きく見開かれる)
(同じ痴漢に遭うことは全く想像していなくて、背筋に緊張が走って困惑と嫌悪の感情が湧き小さな悲鳴が漏れる)
(けれど、性的刺激に目覚めた敏感な身体は、お尻の谷間を中指で上下になぞられただけで刺激を快感と受け止めて)
(背筋にどことなくむず痒いような甘い疼きが生まれて、背筋をピクリと小さく震わせる
ぃゃ……だ。
(堪え切れずに漏れた拒絶の声は、自分でもゾクッとするほど甘い響きを湛えていて焦ってしまう)
[なんとかしないと、また痴漢のいいようにされちゃう。そんなのは嫌。
 スタンガンえお使う? それとも……]
(右ポケットに手を入れてスタンガンを強く握り締めるけれど、前回の失敗を思い出してしまう)
(同じ痴漢ならきっと警戒しているはずで、同じ手を繰り返しても上手くいくとは思えず少し悩む)
(スタンガンを囮にして注意をそちらに向け、油断しているところを足を思いっきり踏みつけたり)
(脛をけることも考えたけれど、脚を上げた瞬間に痴漢の手がクロッチの部分を前へ進めるはずで)
(そうされたら堪え切れる自信もなくて、その案は仕方なく諦める)
[何か別の手を考えないと……]
ん、んんぅ……ぁっ……んふぅ……。
(反撃の手を考えている間にも痴漢の手はお構いなしに動いて、左手でスカートの裾を捲られて)
(右手が中に入って来てお尻を擽るように細かく動いたり、谷間に強い刺激を送り込むようになぞられると)
(身体はすぐに快楽に火照り始めて、背筋がゾクゾクと疼いて甘い声が漏れ始めてしまう)
(けれど、何とか内腿には力を込めて股下から先へ進むのは許さずに、反撃のタイミングをじっと待つ)

あっ、ぁんぅ……ん、んっ……はぅっ……。
[これ以上は駄目。反撃に出ないとまた流されちゃう]
(身体は完全に火照って少女らしい甘い香りを匂い立ち、お腹の奥も疼き始めて内部から蕩けさせようとする)
(理性や我慢で何とかなるはずも無く、もう少しタイミングを計ってからと思っていたけれど)
(余裕がなくなってポケットからスタンガンを取り出し後ろ手に回すけれどこれは囮で)
(本当の狙いは左手を掴むことを考えて、少し遅れて左手も後ろに回す)
(けれど、狙いは外れて左手は距離があって掴めず、痴漢の右手がスカートの中から引かれてこちらもスタンガンが届かなくなって)
(急遽、最初に考えた通り足を踵で踏みつけようと足を上げる)
キャッ!!
(突然、スタンガンを持っていた右手の手首を逆に強く掴まれると、完全に不意を突かれた状態になって)
(大きく目を見開き小さな悲鳴を上げて、またしてもバランスを崩してしまう)
(きっと新体操で鍛えていなければ、ふら付いて完全に痴漢に体重を掛ける形になって相手にも不意打ちになったかもしれない)
(けれど、すぐにバランスを取り戻したものの、相手に背中を密着させる姿勢になっただけでなく)
(踏ん張った時に僅かに腿の間に隙間が出来てしまって、左手がスカートの中に入り股下の先へと進み)
(右手が太腿の外側を撫でながら前に回り込むのを許してしまう)

【続きます】