「理絵ちゃん接触担当の人、大会は楽しんでもらえたかな?
 従妹曰く、今回の理絵ちゃんの出来はあまり良くなかったらしいね。
 最初はエントリーリストに理絵ちゃん載ってなくて、大会運営からの要請で急遽出場することになったらしいから練習不足なのかもしれないけど。
 誰かさんが悪戯しているせいかもしれないけど(笑)」
(大会の翌日、チケットを譲った痴漢からSNSに書き込みがあり)
(本来は理絵が大会に出場する予定ではなかったが、公式な大会ではなく私学の何校かだけが集まった大会であり)
(出場する選手や大会運営からエキシビションでも良いからインターハイ予選で入賞経験のある理絵に出て欲しいと要請があったこと)
(急ピッチで仕上げた故にコンディションが万全ではなかったことなど、従妹から仕入れた情報が書き込まれていて)
(最後には痴漢を受けているせいで、それどころではなかったのではと冗談めかしていた)

[私、どうかしてる。自分から痴漢の誘いに乗るなんて。でも、でも……]
あっ!!
(ホームで電車を待つ間、自分の決断が間違いではないかと逡巡してしまっていたけれど)
(痴漢を受けるようになってから覚えてしまった自慰では満足できず、身体が快楽を求めていることにまだ完全な自覚はなく)
(気が付けば痴漢との約束を守ってしまっている自分がいて、本能と理性との間で惑乱してしまっていた)
(背後に人の気配や息遣いでいつもの痴漢だと分かって小さく声を上げる)
約束したし……んぅ、あっ……。
(約束したかだだけじゃなく、気持ち良くなりたい気持ちも大きかったけれど)
(それを口にするのは恥ずかし過ぎて言葉を飲み込むと同時に、痴漢の手がいつも通りに優しく触れてきて)
(お尻の谷間を下へとなぞり下りていくと、淡く少しもどかしい快感に甘い声が漏れる)
ありがとうございます。……でも、今回はあまり出来が良くなくて、……もっといい演技したかったのに……。
(間違いはないと思っていたけれど、言葉にやはり会場で見つけたのは痴漢の人だと確信を得て)
(どこか共学校の出身なのかなと思いつつ、褒められればうれしい反面、準備不足と集中しきれなかったことを悔やんで)
(痴漢の人だけでなく、観客全てに自分のベストの演技を見て欲しかった向上心の強さを見せる)
ん、んんぅ……はふっ……エロぃ?
(今日は体育と新体操部の活動があってボーダー柄に正面に小さなリボンの飾りがあるショーツで)
(その上からお尻の谷間を擦られ、指先が股下を擦れば敏感な身体は早くも火照り始める)
(「エロかった」との言葉に今までは男性客の熱く真剣な眼差しが、ただ新体操が好きなのだと思っていたけれど)
(その視線に潜んでいた真の意味を知り、驚き.にピクリと身体を小さく揺らす)
男の人皆、そんな目で私たちを……んんぅ、んはぁ、はっ……。
(「魅力的」との表現は嬉しかったけれど、性的な欲望の視線できっと自分だけでなく他の選手も見られていることが悲しくて)
(どう反応して良いのか混乱している内に、お尻に熱く弾力のあるものが擦り付けられて)
(割れ目を優しく擦られ、すでに膨らみ始めていたクリトリスを押し潰し刺激されると甘い痺れが全身を駆け巡り)
(思考は一時中断してしまって、目を細めて全身を走る快楽に身を任せる)
……あの、あのっ……私……怖い……。
(股下に降りて来た硬く熱くなった肉棒の先端、亀頭がぴったりと閉じた太腿の後ろ側に押し当てられると)
(性教育で習って意味は知っていても、やはり男性と手を繋いだこともない奥手であることが災いして)
(興味や快感より恐怖と不安が込み上がてきて、ビクッと肩を揺らし震える小さな声で今の気持ちを告げる)
(痴漢の人の二人でという気持ちを受け入れたい気持ちがない訳ではない)
(でも、身体は自然と強張り両方の太腿の間はぴったりと閉じられて、押し付けられている肉棒を受け入れることを拒んでしまう)
[いつも自分ばかりしてもらっているのに、でも、でも、怖いの……]
(頭の中では同じ言葉がぐるぐると回って、踏ん切りが自分からはつけられない)