(今日もいつもの通りの日常…のはずだった)
(でも…今千歳は、立派な神殿に立っている)
え…ぅえ、ええ!?
(わけがわからずキョロキョロする千歳の前に、神と名乗る男が立つ)
(そしてその男は、訳が分からない話を千歳に話し始めた))
い、いせか…まお、う?
(聞いた事もない言葉が頭の中に入り込み、千歳をさらに混乱させていく)
(それでもいくつかの言葉を繋いで、かなりアバウトな感じで無理やり状況を飲み込む)
あ、あの、でもぼく、ぼくそんな…せ、せかい、救うとか…そんなの、そんなっ…
(無理です、と言おうとした千歳に、神と名乗る男は転生の話をした)
い、いのち…え…あぅ…!
(嘘だ、と言いたかったが、男の瞳が今の言葉が本当である事を伝えてくる)
……あ、ぃ…ぃ、き…行き…ます…
(喘ぐように頷いた千歳の身体が光に包まれていく)
はわ、わわっ…!
(その眩しさに思わず目を閉じる千歳)
(ちょっとした浮遊感のあと、目を閉じた千歳の耳に水の流れる音が聞こえてきた)
…………あ………
(おそるおそる開いた千歳の目に、木々の間を流れる川が見えた)
ほ…ホントに…い、異世、界…なの…あ、あれ!?
(さっきまでウェイトレスの格好だったのに、いつのまにか見た事もない皮の服とスカートに着替えている)
(そして手には、ゲームとかで見そうな木の杖)
ぼく…男なんだけど…
(そう言いながらも、華奢な千歳には普通にスカートが似合ってしまっている)
あ…ポーチ…なにか入って…
(肩から提げているポーチを覗くと、自然と手帳が目に入った)
魔法…少女…?
(呟きながら、少しでもヒントを探して千歳は手帳を開く)
【うんっ、じゃあ名無しさん、よろしくお願いしまーす】
【あと、今日ぼく23時までがリミットなんだけど…名無しさんはどう?】