>>348
(かざした手の先が青く光った)
(その光がゴブリンを照らしたと思った瞬間、ゴブリンは氷漬けとなってしまった)
……え…?
(あまりにあっけない結果に、魔法を放った千歳自身がキョトンとしてしまう)
(その目の前で氷漬けになったゴブリンが粉々になり、跡形もなく消えていく)
…これで…た、倒したの…かな…?
(もしかしたら何かあるかもしれないとじっと見つめていると、千歳は床に転がる石に気づく)
あ…何かな……これ、宝石…?
(手にしたそれは、美しくはないが鈍く光っている宝石のような石)
もしかしたら、この世界で使うお金、なのかも…
(少しの間それを見ていた千歳は、それをポーチの中に入れておく)

(ここには今倒したゴブリン以外はいないようだ)
(かと言って、他に仲間がいる可能性もあるように思える)
…どうしよう
(杖を胸に抱えて、千歳はゴブリンの巣から出ていった)
(巣から出るとそこは森の中だったが、耳をすますと水の流れる音が聞こえてくる)
…さっきの川、かな…?
(川に出ればさっきの場所に戻る事も、最初に見えた村っぽいところへ行く事もできるだろう)
(千歳がすぐに向かわないのは、自分の経験を考えたから)
(さっきは運よく変身もできたけど、ゴブリンが油断して外に出ていなかったらあのまま餌になっていたかもしれない)
ゲ、ゲームだと…最初はレベル上げ、だもんね
(傍には焚火があり、焼きかけの肉やキノコが置いてある)
(少しの間ならここに留まる事もできるだろう)
よ、よし…村に行くのは、もっと頑張って強くなってからでも、いいよね…?
(小さな手をぎゅっと握って頷くと、千歳は付近の探索をする事にした)

【最初はレベル上げにするねっ】
【あと変身とか魔法に気を取られてて、魔力の核の事には気づいてない感じです!】