(千歳がメニューを決めると、アレスがすぐにオーダーをしてくれた)
(柔らかなソファーに座り、そわそわと身体を揺らす)
(この世界に来てからこんな座り心地の良い場所は初めてだから、少し落ち着かない)
(そしてこっちではケーキやプリンも食べていなかったから、それも楽しみで落ち着かない)
(アレスと雑談しながら時々部屋の入口をチラチラ見て、デザートの到着を待ちわびている)
(そしてついにデザートが運ばれてくると、喜びのあまり腰を浮かしかけてしまう)
(それもそのはずで、ケーキとプリンは一目で美味しいと分かるくらいに上手く盛り付けられていた)
(ケーキを飾っているクリームを見ているだけで、口の中に唾が湧いてくる)
(アレスがコーヒーに口をつけるのを見て、千歳も両手を合わせておじぎ)
いただきまーすっ
(挨拶をしてからフォークを手に取って、まずはチョコレートケーキを少し切ってパクリ)
………!
(瞳が見開かれ、そしてだんだんととろけていく)
お…おいしいよぉ…
(感動の声を漏らす千歳に、アレスが話しかけてくる)
うん、ぼくケーキとかプリンとか大好きっ
(笑顔で頷いて、次にプリンを口に運ぶ)
はふ…
(同じような感動の表情でプリンを味わっている)
(するとメニューを見ていたアレスが、それをテーブルに置いて呟いた)
アレスさんも何か食べ…
(そこまで言った千歳の目に、アレスが見ていたページが見えた)
(フォークを持つ手が止まって、だんだんと頬が桃色に変わっていく)
ア…アレスさん…あの…
(もしかしたらと思いつつ、思い切って口を開く)
アレスさん…特別なメニュー、食べたたいんだったら…ぼ、ぼく…いいよ…?
(公園で何とか抑えた情欲が、千歳の中でまた燃え始めている)
【うん、23時までよろしくね!】
【ぼくはどっちかって言ったら、アレスさんにデコレーションされて、そのまま食べられたいかなぁ】
【そっちの方が、何となく恋人の手作りみたいな感じで好きかも】