最初のうちはこうやって、恐怖も混ぜて…躾みたいなものだな
その正常な感覚も麻痺して、文字に疑いもなくなってくるはず…
(防具を脱いでからは間を置かずに追い込みながら、命の危険も滲ませて)
(扉から飛び出たサラには暗闇の中、背後の扉が閉じる音と鍵がかかる音が聞こえて)
(そこでもまた先程のように空間が歪んだ気配がすると、また先程と同じような部屋に出て)
(ただ違うのは床に細長い窪みがあること、それ以外は何も変わらないような構造で)
(扉が一つあることも、その上に文字が書かれていたが、流石にその文字は違っていて)
「部屋にある窪みに持っている武器を収めないと出られない」
(そう書かれていて、そう言われて見てみると、確かに窪みはサラの持つ細身の刀がすっぽり収まる大きさで)
(今度は先程の部屋と違って、扉の反対側にある壁が僅かに振動していた)