>>447
(サラが扉を見るのとほぼ同時に鍵が開く音がした)
(やはりあの文字に従う事が、部屋から出る鍵になるようだ)
(さっきのように僅かに開いた扉から廊下に出る)
(そして歩きはじめたサラは、さほど行かないうちに再び浮遊感に包まれた)
うっ…
(さすがに3回目になると大きな驚きはなく、慣れない浮遊感に小さく呻くだけだ)
(そして半ば予想していたが、サラはまた似たような部屋に閉じ込められていた)
(サラは周囲を見回して扉を見つけるとその上を見る)
(そして、そこに示された文字を読んだサラの表情が歪んだ)
…うう…
(口から漏れる呻きは、指示の内容に対してなのか、それともそれに抗う術のない自分に対してなのか)

…はっ!?
(文字から視線を部屋内に戻した瞬間、サラはこれまでと違う異常に気付いた)
(広さも壁の材質も前の部屋と変わらない筈なのに、何かが違う)
だ…だれ、か…いる…!?
(これまではただの無機質な部屋だったのに、ここには何となくだが人の気配を感じた)
(冒険者の経験が浅いサラだが、ぼんやりと視線のような気配があるのが分かる)
あ、う…!
(怯えた表情で壁に背中を付ける)
(正体のない視線が怖くて、そしてその視線の前で文字の通りに従うのが嫌で)
も、もうっ…もういいでしょう!?
こんなことして…恥ずかしくないんですか!
(まとわりつくような視線に向けて叫んでみるが、今まで通り反応はない)
…う…わっ…分かり…ました…!
(振り絞るような声で話すと、サラは上半身の革の服を脱いだ)
(戦士らしからぬ白い肌と、成長途上の胸を包む白い下着が露わになる)
…あ、あのっ…上…上だけで勘弁してください!
下は…そのっ…下は…恥ずかしい、です…!
(まとわりつく視線により、羞恥で頬を染めたサラが見つめてくる誰かに話す)

【はい、では知識だけはあるという事にしておきますね】