(下半身を晒したまましゃがみこみ、ねっとりとした視線に耐え続けるサラ)
えぐっ…は、やく…開いて…
(サラを辱めるためなのか、今まではすぐに開いていた扉がなかなか開かない)
(そのまま暫く耐え続けると、扉の方で鍵の開く音が聞こえてきた)
開い、た…!
(泣きじゃくった顔が安どの表情に変わり、サラは股間を隠しながら立ち上がる)
(扉の先は真っ暗だが、それでもこの部屋で正体不明の視線に見られ続けるよりはずっとましだった)
(立ち上がったサラは、一瞬だけスカートを手に取ろうとしてやめた)
(それをしたら、また扉が閉まってしまうような気がしたから)
(すると、そんなサラの迷いを断つかのように、壁が動き始める)
あ…!
(びくりと身体を震わせると、サラはそのまま部屋の外へと出ていった)
(そしていつもの浮遊感の後、サラはまた同じような違う部屋に転移した)
…え?
(そこは部屋としては同じものだったが、さっきの部屋以上に決定的に違うものがあった)
ひ…人…?
(そこには中央のベッドに横たえられた、下着姿の男性がいた)
(サラは反射的に扉の文字を確認し、困惑の表情を浮かべる)
キ…ス…
(見知らぬ男性へのキスなど、普段なら絶対に拒否する)
(でもこれまでの経験で、自分にそんな権利はない事を思い知らされていたサラ)
(さっきの部屋のように拒否するのではなく、ゆっくりと男性に近づいていく)
うう…モ…モンスター…じゃ、ない…よね…?
(文字の指示に従わなければならないのは、もう半ば諦めている)
(これで心配なのは、この男性がモンスターだったりしたら、目覚めさせた瞬間に襲われるかも、という事だった)
(ベッドの横に立って男性を見下ろす)
(見たところは普通の人間のようだから、多分モンスターではないのかもしれない)
普通の人みたいだけど…本当に…キスで目覚めてくれる、の…?
(そっと顔を近づけながら呟く)
(意識はしていないつもりなのに、自然と胸の鼓動が早まり、頬が火照ってくる)
私の…初めてのキスなんだから…お願い…します…ん…
(男性が目を覚ましてくれるように願いながら、サラはそっと唇を重ねた)