さ、最近のコスプレは色々と凝ってますので…
このトレンチコートに関しては…あははは、い、言わないでください。
正直な所、男性用の物しかなかったんです…
(等と他愛ない会話で茶を濁す。恥ずかしいという感情以外に今のティアは持ち合わせてはなかったが)
(しかし突如として強まる魔力を感知し、店主に改めて振り返ればそこには…)

……やはり、やはりそう、だったのですか。
(目の前で自分自身から流出した魔力塊を、体内に取り込む店主の姿が)
(そうしてようやく本性を現した店主を前にして、初手の自分の感は間違い出なかったことに気づく)
(そしてどうしてもっと詰め寄らなかったのかという後悔も…)

……例え私の魔力を吸収したとしても、私は…負けません!!
(距離をとり、コートを脱ぎ捨て、胸元のブローチから剣を顕現させ、斜に構える。これまで数多の魔族を切り裂いてきたせいセイクリッドティアが持つ
変幻自在の武器、この狭い空間なら弓よりも剣の方が扱いやすいと踏んだからだ。)
(しかしながら、足元がやはりおぼつかない、呼気も荒く、身体は火照ったまま。とても万全と言える状況ではない)