【こんばんは。今夜もよろしく】
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「ありますか、山伏」
修験道は地域によって異なる点もあるが、おおむね地元の寺社には敬意を払う。
この神社に記録が残っていてもおかしくないだろう。

彼女が探している間他の棚も見てみる。
どうやらこの棚に積まれているのは江戸時代の人別帳や宗門改めの記録のようだ。
試しに手に取ってみるが、村人の家系図を作りに来たわけでもないので戻す。

「ありがとうございます。
 ではまず……表紙から」
少し明るいところに並べて撮影し、読み進める。

「これは……面白い。
 念のために聞きますが、今は山伏がこの村に来たりはしないのかな?」
彼女の反応や本の状態から察するにほぼなさそうだが。

そして、比較的新しい方の書物に残された、神事の供物と称して若い女を弄んだと思しき記述。
古い方が編纂されたのが昭和初期とすると、これは昭和後期だろうか……

まさかと彼女の方を見てしまう。


【こちらこそ待たせてますので】
【こういう古い習慣が現代に残っているとなると、いわゆる「稀人殺し」に怯えたりw】