「お、これは……どれどれ」
当たり、と言っていいだろう。
室町に御所があった時代の記述など得意分野である。
読み進めるうちにこの神社の歴史がわかってきた。
「なるほど、ここは分家で、本家は他所に移転した、と……今も行き来はあるのかな?」
そして、いずれにせよ“慰みモノ”は続いているらしい。
「……?
ひょっとして、最近“本家から”この村に来たの?」
開いたページには“慰みモノ”に施される刺青の図案が。
人口減に伴いこの村では廃れた儀式が、氏子の多い本家ではまだ残っているとしたら。
彼女は、この分家の孫だというが、例えば分家から本家に嫁に行った母が時代錯誤な風習に心を痛めて……
【だからと言っておもむろに裸にするわけにもいかないし】