「ああうん……じゃ、ゴチになります」
彼女が向かったのは厨(くりや)だろうか……?
蔵の形状をしているあたり失火には強そうだが……
「すいません、ではいただきます……(ズズっ……パリン)」
茶と茶菓子をゆっくりと胃の腑に収める。
カロリーメイトやカップ麺、米軍レーションばかり口にしてたここ数日から見ると天国か。
人の世に戻ってきた感触を堪能したところで蔵に戻る。
戻ったところで開きっぱなしにしていた本が閉じられているのに気付く。
「そういえば、ええっとさっきの……ああこれこれ。
こういう図案に見覚えとか心当たりってある?」
まさか今の世に刺青もないだろうが、どこかで継承されている可能性もある。
踏み込むべきではないかもしれないが、要所を聞かねば避けられない。
【せっかくのごちそうなのに比較対象がひどすぎるw】
【まだ、勇は甘く見ています。書物の中にあるのは過去のものだと】
【ここらで過去と現代が繋がっていることを知らしめてやってください】