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「まあ、邪気については僕の仮説にしか過ぎないけどね」

人文科学を学ぶ学究の徒としては、オカルト的なモノは否定する方向でかかるけどね。

「君が、神聖娼婦として振舞うときめたのなら、それを否定する権限はないけど……

 だけど、他人に傷をつけることを良しとするのは認められないな。
 だって、その加害者が僕を被害者にすることを良しとする可能性だってあるから」

「あ、ああ、神聖娼婦ってのは、宗教上の儀式として売春を行う者をいうのさ」

それはそれとして、彼のモノが彼女に当たってるかもしれないが、彼女も彼に当たっており……

「……え、ああ、ごめんね、いきなりやってきて偉そうなことを延々と」

パッと手を放して半歩引いた。