>>556
(紗枝が転校してきて数日は、発育の良い身体に関心をもった将来はチャラ男になりそうな男子が声を掛けてきたり)
(面倒見の良いリーダー格の女子が何度も話しかけてたりしていたが、物静かで反応の薄い紗枝を持て余して)
(徐々に声を掛ける生徒は減って、二日くらい前からは苛める訳でもないが用事が無ければ誰も声を掛けない状態になっていた)
(最初は他の生徒に呼ばれたり、先生に用事を頼まれて声を掛ける機会を失っていた彩文はようやく卿になって声を掛けたのだった)
あっ、驚かせたんならゴメン。そうなんだ……。
(本を読んでいない時を見計らって声を掛けたのだが、慌てるような態度に少しこちらも緊張して)
(謝りつつも、まだあまり慣れていない感じの紗枝に残念そうな顔をして)
そう、名前覚えてくれたんだ。それだけでも嬉しいな。
でも、皆が言ってるみたいに彩文でも彩くんでも良いよ。
彩ちゃんだけは勘弁だけど。
(名前を呼ばれたことに無防備な笑みを見せて、呼び方は親しみを込めて他の男子や女子のように読んで良いと言って)
(キューティー・ルビーにも言っていたように、女の子扱いされるのは嫌で「ちゃん」づけだけはやめて欲しいと苦笑いを浮かべる)
そっか。誰も学校の中とか案内してないんだ。
この周りのことはそのうちってことにして、放課後で良ければ案内するよ。
そんなに大きな街じゃないし、このクラスに居る半分くらいが幼稚園の頃から一緒だしね。
腐れ縁ってやつ? ……かな。
(この辺りのことは日を改めて、休日に案内しても良いかなと思っていて)
(今日は放課後に用事もなく付き合うことを言って、私学ではあったがクラスの半分は幼稚園から上がって来たメンツで)
(幼馴染で気の置けない兄弟みたいな感じと笑いながら、紗枝の返事を待っていれば)
「彩くん、さっきの授業分からないとこがあったんだけど教えて」
(彩文の机の辺りで、クラスでも可愛い方の女の子が声を掛けて来て)
あっ、今茅場さんと話してるから少し待ってて。
(紗枝の答えを待ってから、彩文は女の子に勉強を教えるために自分の席へ戻って行った)

【23時まで可能であれば夜も21くらいから大丈夫です】