>>565
(彩文を呼んでいた少女と不意に視線が合うと彼女は紗枝を睨みつけて舌を出す)
……
(所詮はまだ幼い子供の嫉妬心だと内心で嘲りながら薄い笑みを浮かべて静かに返事を返す)
(人間より遥かに上位の存在であるという余裕と彼らの若さからくる行動に若干の愛らしさを感じ、彩文に好意を寄せるその瞳を冷めた目で見つめていた)

(それから時間はゆっくりと過ぎていき、授業やホームルームを終えた放課後で紗枝は静かに廊下で待っていた)
(待ち合わせの場所へと向かう道中に彩文が掃除以外にも頼まれごとをされている様子が遠くで見え、その様子を遠巻きで見ながら彼女はそのまま持参していた本を読んで時間を待っていた)
……あ、大丈夫……全然待ってないよ
それじゃあ、よろしくね
(廊下を二人で歩き、理科室や調理室などまだ授業では使っていない場所の案内を受けて大まかに場所を把握していく)
(紗枝はそれと同時に彩文の仕草や一見すれば少女と見間違える容姿などに品定めをするように視線を這わせる)
名前……で?
うん、別に大丈夫だよ……彩くん……
(不意に立ち止まると彩文は紗枝のことを「紗枝ちゃん」と呼んでいいかと確認をする)
(身長差もあって見上げる形になっていたが彼女には彼の浮かべる笑顔が輝かしくいとおしいものに感じられていた)
図書館……そうだね、本……結構読むから教えてくれるのは嬉しいな
…………あっ
(自然に自身の手を取られると彼女は静かに彼の手を握る)
(口ぶりと態度こそ驚いて見せたものの紗枝はその瞬間に彼の手首に指を這わせて印を施す)
(淫魔の付けるマーキングとしての印は非常に微細な魔力ではあるものの彼の袖口の下で薄紫色のハート形をした紋様を書き込み、彩文の居場所を的確に伝えるための発信機の役割をする)
(感覚としては少し暖かい空気に触れる程度のものでそれも互いに手を触れた瞬間のわずかの合間であったため何かを施されたと感じ取ることは困難かもしれない)

【今後の流れのほう承知しました、それでは雑魚専党員の動きに関してはこちらで操作させていただきますね】