ゴメンね。先生に用事頼まれて遅くなっちゃった。
じゃあ、行こうか。
(紗枝の返事に安堵した表情を浮かべて、早速に並んで歩き出した彩文は校内を案内する途中何度か横目で紗枝をチラ見して)
(今まで学年でも美人や可愛いと言われる女子にもあまり興味を持てなかったのが、なぜ紗枝のことをこんなに気になるのだろうと思っていたが)
(自分に紗枝が品定めするような視線を這わせていることには気づかなかった)
良かった。
初めて声を掛けたばかりなのに少し馴れ馴れしいかなと思われたらどうしようって思って。
(承諾の答えにまた嬉しそうな笑みを見せて、クラスメイトの話をしながら廊下を進んでいく)
僕、図書委員してるから、もし欲しい本があったら教えて。
全部買える訳じゃないけど、委員会で提案してみるから。
ごめん、急じゃ驚くよね。
(自分が図書委員をしていることを教えて、もし他の委員が居なければ書庫へ入れてあげると約束して)
(欲しい本があれば申請すれば購入してもらえる可能性があることを教えて)
(いつも気にせずに手を取れば、紗枝が驚きの声を上げたことにすぐに謝って)
(紗枝の手が暖かいと思ったが、印紋を刻まれたことには全く気づかずに進んで行って)
(生憎図書館へと入れば、上級生の委員がカウンターに居て書庫へは入れず)
(上級生に転校生を案内していることを告げたあと、本の借り方や個室で勉強出来たりすることも教えていく)
(しばらく他の部活を眺めたり、他の施設についても大体教えるのが一通り終わって)
急ぎ足だったけど、分かったかな?
すぐには全部覚えられないかもしれないし、学園自体大きいからね。
少し離れた所に通っていた小学校や幼稚園もあるけど、それはまた今度にしよう。
(中高が隣り合った校舎はそれなりに広く、一通り案内を終えるとほぼ下校時間になっていて)
(学園全体の紹介はまたいずれと言うことにして)
そう言えば、今度の休み暇がある?
良ければ駅前の店とか案内するけど、どう?
(どこまでもお人好しで、屈託のない笑みを紗枝に向けて休みの予定を問う)
【彩文が紗枝に少し馴れ馴れしいのは、転校初日に最初に目が合った時にとても弱く魅惑の魔法を掛けられた感じにしましょうか】
【戦闘員の件はよろしくお願いします】