(彩文に印をつけてから動向を伺い続け、自身が呼び出した下級の妖魔やそれ以外の野良の妖魔と一回ずつサファイアとして戦っている様子が印を通して彼女にも伝わっていた)
(実際にあった彩文とサファイアでは感じ取る匂いに若干の差があったことなどから彼の身体に興味を抱いていたサリヴァーンは印を通して彼の特殊な状態を知っていた)
ふぅん……面白い子ね、やっぱり……
あの戦士の姿の時は女の子で、普段は男の子……今のところはといった感じかしら
(下級の妖魔を嗾けて彼の戦いぶりを遠巻きに真力の流れなどを通して観察していたが彼の戦い方は以前一緒に戦っていたルビーに比べると戦士としての本来の力が出せない分、本人の実力に依存した戦い方をしているようだ)
これは今度間近で見てみたいわね、試してみたいこともできたし……
(誰もいない暗いマンションの一室でサリヴァーンは一人キューティー・サファイアの守っている街を眺めながら笑みを浮かべる)
(そして彩文に街の案内を受ける予定の休日になり、彼女は彩文と待ち合わせていた)
ううん、そこまで待ってないよ
(私服姿の彩文は年相応の男の子らしい恰好をしているものの、容姿も相まってどちらかと言えばボーイッシュな格好をしている女の子のような出で立ちをしていた)
……今日はよろしくね
まずは……美術館…………?
うん……良いよ、結構そういうところも好きだから嬉しい……
(紗枝は彩文の横に並ぶようにして歩き始める)
私服の彩くんも制服とは違った印象で格好良いね
(制服を着ていた時はまだ『男子用』という括りの元で判別がついていたが、私服になってくるとやはりどうしても女の子らしさの穂が勝って見えるようになっていた)