もう亡くなって何十年も経つ作家だし、印象派とか分からなくても仕方ないよ。
うん、小さい頃から絵を描くのも身体を動かすのも好きなんだ。
だから、学校では美術部とバスケットボール部に入っているんだ。
バスケットは少しでも背が伸びればと思ったんだけど……。
(見に行った画家は20世紀すぐくらいの生まれで、長生きしたものの亡くなってからもう30年近く経っていることを説明して)
(自分が入っている部活のことを話すが、美術部の話を生き生きとするのに比べ)
(バスケットボール部のことは少しトーンが落ちて、スピードで何とかしているもののシュートは遠目から3ポイントを狙うことが多く)
(背の高いガタイの良い男子に完全に力負けしていることは、流石に恥ずかして黙っていた)
(紗枝に自分の体臭が男子のそれから女子のそれへと変異中だと知られていることも、彩文自体がそのことには気づいていなかった)
きっと、女の子ならクラスの男子が行くような店よりそっちの方が良いと思ったんだ。
(自分の趣味もかなり入っているのだが、言い訳をするように女の子は甘いものが好きな子が多いよねとか話しつつ)
(前よりもスイーツとかをより好むようになっているのも自覚はしていなくて)
(いつもより早い紗枝の返答に嬉しそうな笑顔を見せる)
あっ、見てた?
最近、身長の伸びが止まっているせいか、食べても筋肉がつかないせいか、顔のせいか分からないけど女の子に間違えられることが多くなって……。
本当なら男性らしくなり始めても良い頃なのにね。
(まさか変身ヒロインになっているとは言えず、近況で成長が一時的に止まっているだけと強調しつつも)
(気づかぬだけでたまに女性らしい動きや表情もしてしまっていて)
早く行かないと無くなるスイーツもあるから急ごう。
(手を取り走れると紗枝に聞くと、少し急いでスイーツショップへと向かうが)
(信号待ちの時にたまたま角にあったコンビニの道路に面した所に、雑誌コーナーの本がいくつか見えて)
(その中に男の娘モデルが載っている雑誌が道路向きに置かれていて、中学に入って久々にモデルを頼まれた彩文が表紙になっていて)
(彩文はさりげなく身体を捻って紗枝の視界から雑誌を隠したつもりになっていた)
は〜っ、もうお腹いっぱい。
どうだった、紗枝ちゃん?
(スイーツを売っているだけでなく、喫茶店のようになっている場所で食べ放題のケーキセットを食べ終えると)
(満足そうな笑みを浮かべつつ、スイーツの味がどうだったか紗枝にも聞くが)
(彩文の食べたケーキの量は元から色が細いせいもあるが、男子としては圧倒的に少なく)
(女子としてみればスイーツ好きで一杯食べた程度の範疇に入る者だった)
【では、今回はここで凍結で良いですか?】
【平日の間は置きでお願いします】