……ハァ……ハゥっ……身体の熱いの収まらない……。
(掛け布団を被ったまま目を瞑り寝ようとするが、脇腹にも背中やお尻にも、胸にも体液を浴びた個所が淡く疼いて)
(どの姿勢でも微かだがはっきりと甘い痺れが身体に湧き上がり、眠れないままに時間が過ぎる)
「えっ!! 誰? あなた茅場さ……。違う??
何を言ってるの? キャ〜っ!!」
(当然キューティー・エンジェルズたちとは異なり何の警戒も払っていなければ、突然気配もなく現れた人)
(良く見ればクラスメイトの転校生と思ったが、どこか雰囲気が全く異なっていて困惑すると)
(図星を突かれイラつき睨みつけた時に足元から紫色の花弁が舞って、その花弁が散ると妖魔が現れているのが見えて)
(この街に住んでいれば誰しも一度や二度は妖魔の姿を見ていても、目の前に現れれば大いに驚いて悲鳴を上げ逃げようとするが)
(身体が金縛りにあったように動けなくなって、勝手に服が無理張りにはだけて印紋が刻まれれば)
(二人の快活な瞳から快活さが失われ、虚ろな瞳へと変化する)
「「はい、わかりました」」
(二人が同じタイミングで抑揚のない口調で正体を言わないことを約束して)
「彩くん可愛いから、ぜったい女の子みたいな恰好似合うよね」
『うん、私も見てみたい』
(植えつけられた淫欲に突き動かされて、本来持っていた純粋な恋心ではなく言葉を口にすれば)
(友人も同じようにどこか虚ろな瞳で翳りのある笑みを浮かべて頷く)
ン、ンぁッ……ぁアァッ……な、なに? 身体が…………変。
(密かに施された手首の紋章が淡く輝き、媚薬の効果が一瞬強まれば布団の中で手をギュッと握り)
(エビのように腰を折り身体を丸めて快楽に耐えようと試みるが、一度はっきりと知覚した感覚は払い除け難く)
(荒い吐息を零しながらギリギリの所で耐えていた)
「彩ちゃん、いまどこ? 街で妖魔がいっぱい暴れてるから来て。待ってるから」
(変身アイテムから聞き覚えのあるルビーの少しだけ焦った声が、必死に耐えている彩文の耳に届く)
行かなくちゃ……ン……街を護らないと……。
メタモルフォーゼ、キューティー・サファイア!! ンァッ、アァゥ!!
(変身をした瞬間、より強い甘い痺れが駆け抜けて膝をつき崩れるが、それでも震える脚に力を込めて街へと向かう)
(何とか辿り着いた何時間か前に紗枝と過ごした公園には何匹物妖魔が居て、人をはっきりと襲うでもなく)
(弄ぶように追いかけっこのようなことをしていた)
【最後のルビーからの呼び出し以後は使っても使わなくても構いません。お任せします】