はっ! ンぁ……たぁぁっ!……んンゥ……。
(何度も決定的なチャンスを逃しつつ、いつもより遥かに長い戦闘を繰り返していて)
(性的な快感の影響での体力消耗も相俟って、サファイアの動きは明らかに鈍さを増しつつあった)
(本能的に相手が狙っているポイントは察しられて、その箇所への甘い刺激という名の攻撃は避けていたが)
(その周辺への攻撃は躱し切らず、それがより周りからグズグズとゆっくりと身体を蝕む快楽を得てしまっていることに気付く余裕も今は無かった)
ハァ、ハァ、ハァ……どうしたら……もぅ……ハァ、ハァ……限界。
(こんな下級妖魔に敗れえてしまうのかと悔しい気持ちで一杯ながら、今の状態ではギリギリで覚悟を決めた時)
(屋根伝いにルビーが急速に近づいて来ていて、クラゲ妖魔の動きが今までと明らかに違い)
(触手の動きが完全に止まり、全体の動きもサファイアの動きを和らげるように揺らめいていたのが鈍くなったのに気づいて)
サファイア・エスポワール・フレッチャ!!
(サファイア自身も限界ギリギリで、いつもより技を繰り出すための集中する時間は長かったが)
(ルビーの接近のお陰でその時間が持て、放った矢はスピードも遅く、数も5本と今までで一番少なかったが)
(下級妖魔の急所を突くには十分で、ようやく地面に落ちた妖魔は黒く焼け焦げたようになりそのまま消え去って行った)
はぁーっ、貴方たち、大丈夫だった? 襟元……平気?
(妖魔が消えたことを確認したサファイアは一つ深呼吸をして、まだ快楽に疼く身体を持て余したままであったが)
(妖魔が消えたことで隠れていた場所から出てきたクラスメイトに、なるべく凛とした表情を作って声を掛けて)
(胸元がはだけているのを見つけ、そこだけは男子で少し視線を逸らしつつ指摘する)
「あっ!! でも、大丈夫です。サファイアありがとう」
(彩文に告白を考えていた女子は、それがサリヴァーンに暗示を掛けられたせいか)
(素なのかはだけた胸元を直すと無邪気にサファイアへとギュッと抱き着いて)
ハゥっ!! ン、ンンゥ!!!
(抱きしめられ彼女の胸が自分の敏感になった乳首と擦れ合った瞬間、もう危機は去ったと油断していたこともあって)
(サファイアは女性としての軽い絶頂を、「イク」という言葉を知る前に味わわされてしまっていた)
「あっ、ごめんなさい。大分、苦戦していたみたいだから、痛かったよね。
本当にありがとうございました。じゃあ!!」
(軽い絶頂が傷により痛みと勘違いした少女はサファイアから離れ、笑みを浮かべて友達と去って行った)
(しかし浮かべた笑みに本人も知りえない僅かな邪悪な影を纏っていたことなど、本人もサファイアもその時は気づいていなかった)
僕、どうしちゃったんだろう。
あんな妖魔に苦戦するなんて……、それに抱き着かれた時感じたあれは一体……。
それに…………。
(近くまで来ていたルビーがサファイアが妖魔を倒したのでそのまま去り、サファイア自身も変身を解いて)
(おぼつかない脚で家へと戻り、もう一度シャワーを浴びて部屋に戻ってベッドに横になった彩文は)
(先ほど感じた未知の疼きと、帰ってきてシャワーを浴びる時に脱いだ下着の股間辺りに一筋の染みが出来ていたことを考えていた)
(しかし、考えようとしても、クラゲ妖魔に攻撃を受けた部分は疼きが収まる様子もなく)
(いつしか思考は停止して、淡く疼きを堪えることに精一杯になってしまっていた)
【戦闘終了のあとそのまま続けました。本日もよろしくお願いします】