―そう、良い子ね
(サリヴァーンの指示に応答した梨奈は虚ろな瞳になりながら彼女に刷り込まれた意志に従い彩文にアプローチを仕掛ける)
(以前紗枝も視界には入れていた雑誌を彼に見せつけて彼を言いくるめている梨奈の様子を傍観する)
……ここなら誰も来ない…………ね
(講堂には今はこの三人、厳密に言えば紗枝は自身の気配を消しているため二人きりの状態で梨奈が彩文に襲い掛かっていた)
(手際よく彼女は自身の制服をもうワンセット用意して彩文の前に見せつけていると、彼は返答に困り戸惑っている様子を見せていた)
(しかし、同じ同級生ということもあって警戒心は薄く、そのままなすすべもなく唇を奪われ酸欠と淫紋の力で同意してしまっていた)
―そのまま服を着せ替えてあげなさい、貴女の願望に従って
(倉庫の中へと姿を消した梨奈と彩文の後に遅れて静かに紗枝も扉の近くによる)
(そして、指先を口元に寄せて軽く息を吹いて倉庫の中に淫魔の吐息を流し込む)
(彼女の魔力を帯びた吐息はそれ自体が微細な媚薬へと変化し、二人の体温を昂らせて劣情をさらに加速させる)
―ブレザーやズボンなんて脱がして女の子の制服を貴方の手で着させてあげるの
―意中の相手ならそれくらいできるわよね?
(酩酊する彼女の意識に強く語り掛けるようにサリヴァーンは話す)
―私は講堂で待ってるからお着換えが終わったら行動の壇上で見せつけてあげなさい
(そう語りかけると紗枝は講堂の最前列の座席に腰掛け彼らが返ってくるのを待つ)
(さも先程からそこにいたかのように彼女は座席に座っているが、その瞳は紅く輝き彼女たちを持て遊ぶ淫魔の目をしていた)