「じゃあ、ここで彩くんがイクとこ見させてもらうね」
(本来は自分が可愛いことを鼻に掛けなく、友達思いの優しい性格の梨奈であるが)
(今は淫紋と催眠によってSの部分を引き出されていて、興味津々に瞳を輝かせ彩文が紗枝にイカされる場面を笑みを浮かべて待っていた)
…………。
(紗枝の絶頂へと導く声にもう反論する余裕はなく、頭を左右に振りイクことを拒否するものの)
(一気に射精感が高まり堪えることが出来ず、開いた唇からこぼれた声は嬌声でそのまま絶頂を極めてしまう)
ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ…………。
(気は失っていないものの絶頂の余韻は深く、身体に力の入らない状態で)
(肩を大きく上下に揺らして新鮮な空気を求めて、本来の男子なら射精後に快感は急激に萎む筈だが)
(まだ彩文はふわふわとした空間を漂うような余韻に浸り、ぼんやりとイクことを肯定し、紗枝の労わる言葉を聞いていて)
(もう彩文がただの男性としての射精の快楽だけでなく、女性の絶頂をも併せて感じていることをはっきりと示していた)
(男性の射精の快感自体は、これがもしかしたら最後だったかもしれないが……)
こっち側って……??
(彩文のペニスが吐き出した粘液を美味しそうに、舌鼓を打ちながら舐め取る紗枝を梨奈はじっと眺めていて)
(催眠が徐々に解けて来て意識がはっきり戻ってくると、目の前には紗枝に似た妖魔がいるのを見つけて)
…………。あの時の妖魔。彩くんに何をしたの? 男の子を快楽の園に堕とすって一体??
確かに可愛いし、睫毛なんて昔から女の子みたいに長くて、顔だって綺麗で……。
って、私なにを言っているのよ、貴方の側って、私、妖魔なんかに力を貸したりしないんだから。
(梨奈は彩文に好意を抱く半面、自分より美しいとコンプレックスも抱いていて)
(ポロリと口から漏れるが、キッとサリヴァーンを睨みつけて仲間になるのを拒むものの)
(鎖骨の淫紋が身体に苦痛を与えるように疼いて、眉間に皺を寄せて膝をつき歯を食いしばって堪える)
(しかし、その時また頭の中に妖魔の声が響けば、快活さが戻りかけていた瞳はまた虚ろになって)
「はい、彩くんのことも貴方の正体も全部秘密にします」
(深層意識にプロテクトを掛けられれば、抑揚のない声で梨奈は答えるとスッと意識を失っていた)
あれ、梨奈ちゃん。……僕、梨奈ちゃんに誘われて…………何をしていたんだっけ?
梨奈ちゃん大丈夫?
(いつの間にか意識を失った彩文が目を覚ましたのは、暗い講堂の倉庫で)
(何かを思い出そうとしても、女子の制服を着てイッたことは思い出せず、制服も自分の男子の制服に戻っていて)
(横で同じように寝ている梨奈の肩を揺すり起こす)
「あっ、彩くん。私たち…………」
(梨奈も何かを思い出そうとするが全く思い出せず、ただ思いが叶った幸せだけに今は浸っていた)
「もうこんな時間、いつの間にこんな所に入り込んだのか覚えてないけど、彩くん一緒にかえろう」
うん、そうだね。
(二人は倉庫から仲良く手を繋いで仲良く学校を出て帰途についたのった)
(その晩から梨奈は夢の中で彩文を女装させイカせる夢を見、紅い瞳の淫魔が彩文の精液を美味しそうに味わう夢を見て)
(三日後の夜には淫魔の姿と自分の姿が重なり、普通の人間としてはよく耐えた方だがゆっくりと精神が堕ちていくのを止められずにいた)
(そして四日目の放課後……)
「紗枝ちゃん、貴方の名前が本当は何というのか分からないけど、私をそちら側に連れって行って。お願い」
(淫紋と深層意識のプロテクトに導かれるまま、自らの意思で梨奈は妖魔へ堕ちることを望んだのだった)
……僕の身体変だよ。それにいつの間にか下着が…………。
(女装をしてイカされた日、家に戻り勉強と夕食を終えた彩文がお風呂に入ろうとしたとき)
(流石に下着がスポーツブラとコットンのお臍のすぐ下あたりに小さなリボンのついたコットン生地のボーダーのショーツを穿いていることに気付いて)
(何があったか思い出そうとするが思い出せず諦めて湯船に浸かるが、その時初めて陰嚢が体の中へ潜ったまま戻って来ないことに気付く)
(寒い時に身体の中に睾丸が潜り似たような状態になったことはあったが、ここまで元に戻らないのは初めてで)
(困惑しながらもすぐに解決策は浮かばず、今日は様子を見ることにして眠りについた)
ハッ……はァ……あゥン……イク……イッちゃう……気持ちいい……。
(夢の中で彩文は女の子の制服で繰り返しイカされ、女の子の快感と男の射精の快感を同時に感じて達する夢を繰り返し何度も見続けていた)