(ほんの少し顔を上げてサリヴァーンを見上げれば、琥珀色の瞳は快楽にトロリと蕩け)
(頬は絶頂の余韻に紅いく染まって口からは甘い吐息が絶え間なく漏れ、淫魔に対する思考の防壁が崩れていて)
(サリヴァーンの言葉と共に、快楽の心地よさの記憶が心と身体に深く刻まれていく)
ンはぁ……はっ……なんでボクの……ンぁ……名を?……はぁ……あっ!!。
(似ているとは言っても紗枝とサリヴァーンが同一人物と思っておらず、なぜ名前を知られているのか理解できず驚くが)
(いきなりフリースを掴まれ剥ぎ取られてあげた声は、元々男子にしては高った声はさらに高く澄んだ女の子そのもののような声に変っていた)
僕は……はぁ、はっ……男だ……ハッ……なんて……ンぁ……ない……ハァぅ……あぁっ……やめ……ろ……。
(フリースを剥ぎ取られただけでなく、可愛いと言われるとムッとして睨みつけようとするが)
(まだ媚薬の効果は覚めやらず、快感は残ったままで睨みつけるまでは行かず)
(さらにフランネルシャツをたくし上げられ、下腹部が出るまでスキニージーンズを下ろされると驚き)
(抗議の声を上げようとするが、口からは「やめて」と出そうになり、慌てて言葉を飲み込み男らしく「やめろ」と言い直すが)
(気づかぬ内に思考さえ徐々に女性化していることを現してしまう)
はぁ……んんっ……ボクに……ン……用事のある……ハゥっ……淫魔って……ハァっ……。
(寒さだけではなく、敏感になったままの肌は微かな風の動きでも淡い快感が生まれて身体を震わせ)
(淫魔に知り合いがいる筈もなかったが、考えは纏まらずサリヴァーンが顔を向け声を掛けた先を見ていた)
「彩くん……いえ彩ちゃん、こんばんは。
ありがとうございます、サリヴァーン様」
(サファイアに変身していた時も気づけていなかった結界が解けて、姿はまだ闇に紛れはっきりと見えなかったが聞こえ来たのは梨奈の声で)
……ハァ……梨奈ちゃん……ハァ……その恰好……ンハァ……なんで……アァッ……何を……ンンッ……止めて……。
(闇の陰から現れたのは淫魔の衣装に身を包み、白い肌の色が血の気を失ったように青白くなり、翼を持った姿の梨奈で)
(驚きなぜこうなったのかを目を大きく見開き考えていると、下腹部に魔力が走るのを感じてみれば)
(最初は黒子のようなピンク色の点が蕾のように大きくなり、ハート形の淫紋に開くとお腹の奥がなぜかキュンと疼くのを感じて)
(止めるように頼む声は言葉も響きも女の子のそのものになっていた)
「なぜって? 彩ちゃんのことは好き。
でも、男の子なのに私より可愛いくて、見ていて私辛くなってたの。
サリヴァーン様に淫魔にならないかって誘われて、彩ちゃんを女の子して喘がせることが出来るならってOKしたの。
だからね……」
(少しだけ悲しみを含んだ、それでいて獲物を前にした淫魔の笑みを浮かべ)
(彩文に恋していた気持ちと、同時に抱いていた嫉妬のどす黒い気持ちとを告白して)
(その黒い感情故に淫魔に誘われ、彩文を女の子へ堕とし弄ばせてもらう条件で受け入れたことを告げる)
ハァ……アァン……ボクは……ンぁ……お前のものになんて……ハァぁん……ならないんだから……アハァっ……。
ン……梨奈ちゃん……ァハッ……目を醒まして……ンンぅ……淫魔に……ハァッ……誑かされて……ンぅ……いるだけ……ハァ……なんだし……。
(刻まれた淫紋に抗おうとすれば甘い痺れが身体に走り、媚薬も効いている今の状態では軽く達して何も考えられなくなって)
(拘束が解けても媚薬と軽く達した影響で身体に力が入らず、容易く入れ替わった梨奈に抱かれて)
「誑かされてなんかないし、難しい話は終わり。
彩ちゃんも女の子の身体愉しんで……ね、ンチュ」
(梨奈の淫魔の瞳になた目で熱烈に見つめられれば、より力な抜け抵抗が出来なくなり唇を塞がれ奪われてしまって)
梨奈ちゃん……ン……やめ……ンンゥ……ンチュ。
(「なに……これ!? サリヴァーンとは違うけど……甘い……味」)
(キスに口を塞がれ舌を絡め取られ、媚薬入りの唾液を流し込まれると、今の彩文に抵抗の手段はなく素直に受け入れてしまう)
(長いキスが終わった時、彩文の瞳は快楽に蕩けきっていて、身体も快楽を欲しがっているかの様に熱く疼いてしまっていた)
【長くなったので続きます】