>>181
眼前に迫ってくるソレに、何より男の大胆さにエリカは半ば圧倒されていた。
傍から見ても十分にわかる程の勃起した股間を、女性客の顔へ近づけていく行為なんて、普通の感覚だったらできない筈。

(私が言うのも何ですけれど、ここ、電車の中ですのよ!?)

口の中が乾く。
仄かな汗の匂いが、鼻腔をくすぐる。
そこに混じる蒸れたような青臭さが、そそり立つソレの存在感を一層強調してくる。
スマホの画面に目を向けても、エリカの意識はすぐ近くにあるソレで一杯だった。

(他の殿方たちだって見てますのに……ッは、恥ずかしくないんですの!?)

思わず自分を棚に上げて、内心でそんな突っ込みをしてしまう程。
集まる周囲の視線、けれど誰も男の行動を咎めようとしないのは、関わり合いになりたくないからか。
エリカの恥じらう姿を見たいからか。
それとも、密かに更なる展開を期待しているからか。
彼らの方をチラチラと窺えば、明らかに2番目や3番目を思わせる顔ばかり。
久々のプレイなのだし、ちょっと刺激的な思いができれば良いという程度の心構えしかしてこなかったエリカは、戸惑いを隠せないでいた。
更に間の悪いことに――

(あ……やだ、金具が……ッ?)

――あるいはタイミングの良いことに。
ワンピースのジッパーが、小さな異音と共に動かなくなってしまった。
力を込めて引っ張り上げようとしても、何かが引っかかっているのか、全く動かない。
調子に乗って双丘の作る膨らみの頂を、少しばかりおへそ側へ下った辺りまで下げた金具は、そこでピタリと止まってしまっていた。
つまりは正面から見れば、グラビアやAVでも中々お目に掛かれない見事な胸の谷間が丸見えという訳だ。

(というか、谷間どころではありませんわよ、これ……)

密かに焦りを覚えつつ、どうにか金具を引っ張り上げようとするエリカ。
ご自慢の美爆乳の陰に隠れた彼女の手元で、更なる違和感を覚えた次の瞬間。

「え……嘘、やだ、やだ……ダメですわ!?」

フロントファスナーの金具は完全にレールから外れ、内側からの圧力に負けたワンピースの胸元から、103pの肉果実がこぼれ落ち――

「――ッ!?」

たぷんっ

ゆさりっ

まるでスローモーションのように、ギャラリーたちの見つめる中で重たく弾み、揺れながら露わになる。
赤地に白で‘F○CK ME'と書かれたバッテン型のニプレスが貼られた、その先端までもが衆目に晒されることとなった。
顔は真っ青、頭は真っ白。
けれどそれとは真逆に、男たちの視線を独り占めにする美しく卑猥な2つの水蜜桃は、薄っすらと汗ばんで淡い桜色を帯び始めて……。
慌ててワンピースの前を閉じようとしたエリカの手の動きから逃れるように、柔らかく弾んで大きく揺れ……。
仕方なく両腕で隠そうとしても、卑猥に歪められた乳房の形がかえって車内の熱気を煽るような結果となってしまい……。

「み、見ないで下さいまし……ッ」

まるで良家の淑女が羞恥に身を震わせているかのような、何とも哀れで、それでいて煽情的な姿が、男の巨根のすぐそばに……。

【大変お待たせいたしました】
【一応、エリカの普段の生活圏からは離れた路線ということで、偶然知人に見られるなどといったリスクは無いものとして下さいませ】
【この場で更に辱めを図っても良いですし、紳士的に振舞うことでエリカから濃厚な「お礼」をさせていただく、という展開でも構いません】