>>185
「あ、ありがとう、ございます……」

思わぬハプニングで頭が真っ白になったエリカを、気遣うような男の行為。
一見すると紳士的、けれど実際はどさくさに紛れて彼女の胸に手を触れるためのカモフラージュでもあるその行為が、却ってエリカを冷静にさせた。

(ず、随分と……積極的、ですわね……ッ)

チラリと他の乗客たちの様子を窺うと、男に機先を制されたせいか、一様に距離を保ったままでこちらを食い入るように見つめているだけだ。
図らずも図々しく彼女のバストを楽しんでいる男の存在が、一種の抑止力として働いていた。
2〜3人程度の相手であれば、適当にあしらえる自信はあった。
学校での清楚な優等生的雰囲気とは程遠い、性に対する奔放さのままに、3Pや4Pだって経験したことはある。
マゾで露出狂な爆乳ビッチが、それでも清純派のイメージを崩さずに学校生活を送ってこれたのは、常に状況を自分の制御下に置き続けてきたからだ。
逃げ場のない密室で、想定外のトラブルに見舞われたままで、興奮した男たちの集団に囲まれるような事態となれば、身の破滅も覚悟しなければならない。
それを、結果的に救ってくれたのだから――

「――ンっ、いたずらが過ぎますわよ、ご主人様♪」

自慢のバストを堪能させてあげても構わない、とエリカはそっと腕を下ろしつつ。
乗客たちにもどうにか聞こえるくらいの音量で、男の顔を見上げながら囁きかけた。
エロい恰好をした金髪爆乳の美少女に、甘い声で「ご主人様」と呼びかけられるなど、どこのエロゲかエロ漫画かといったシチュエーションだ。
恥じらいの吐息と共に身を捩れば、折角のカモフラージュ用上着がするりと足元へ滑り落ちて。

「ん……ッ」

卑猥な形に歪められた双球と、その柔らかさと重みとを手のひら全体で堪能する男の様子とが、丸見えとなってしまった。

「もう、ご主人様ったら……エリィのオッパイ、そんなにお気に召しましたの?」

だからって衣装に細工して、関係ない方々にまで見せびらかそうだなんて、イケないご主人様ですわ――そう続ける彼女の心は、すっかり元のペースを取り戻していた。
むしろ自分から積極的に男の手を取って乳房へと押し付け、こね回させながらも困り顔で観客たちへと視線を送り、二人の関係をアピールしていく。
つまり、自分とこの男とは露出プレイのパートナー同士であり、この状況は目の前の男が仕組んだ悪戯なのだというような……。

「電車の中で始めるだなんて、エリィ、聞いてませんでしたわ♪
 『そちら』ももうそんなにして……我慢できなくなってしまわれたんですのね……ッ♪」

公共の車内で露出した胸を揉ませながら、男の股間に熱い視線を送る爆乳ビッチ・エリカ。
窮屈なズボンの中から今すぐにでも飛び出したいと訴えかけるようなソレに、ついつい男の手を使った乳房オナニーにも力が入ってしまう。
特に理由も無く『エリィ』という、先日BANされたばかりの動画サイトのアカウント名を名乗りながら、配信では得られない高揚感を彼女は全身で楽しんでいた。

「構いませんわ、エリィのオッパイはご主人様専用ですもの……ッお好きになさって下さいませ……ッ♪
 恥ずかしいですけれど、エリィ、ご主人様がお望みでしたら、ン……我慢、できますもの…・…♪♪」

彼が乗ってくれるなら良し、否定されて頭のおかしな女扱いされても、それならそれでやりようはある。
マゾビッチで露出狂の金髪爆乳ホルスタイン・エリカは、エロ一色の頭であっても、その片隅ではそんな強かな計算を働かせていたのだった。