>>30
「ありがとう、ございます……」

そうして、どれだけの時間が過ぎただろうか。あれだけ賑やかだった子供たちの声も、今は全く聞こえてこない。
行き交う車の音は相変わらずだが、人の気配は何処か遠くへ行ってしまったかのようだ。
浮浪者の右肩にもたれかかったままのエリカは、いつの間にか目を閉じて、さながらうたた寝でもしているように見えた。
何か、良い夢でも見ているのか。
その唇には薄く笑みが浮かび、時折、僅かに身じろぐのが男にも分かるだろう。
その度に、白い太ももの付け根が見えそうになり、最早視覚の暴力と言っても良いレベルの爆乳が柔らかそうに形を変える。
まるで男の理性を試そうとでもしているのか、寝顔の唇がやけに艶めかしく濡れて光っている。

「ン……ッおとう……さま……」

体育座りはいつの間にか崩れ、しな垂れかかるエリカの体は、男へ接する面積が自然と増えていた。
右手は男の右ひざに乗せられ、桜色のマニキュアを塗られた指先が、僅かに太ももの方へと伸ばされている。
その手を取って、自らの勃起へと導くのも今なら容易いことだろう。
左腕は、彼の腕へとごく自然に絡んでいて、今や上半身の重みの全てを預けているような状態だ。
だとすれば腕に、肘に当たる柔らかくも瑞々しい弾力の正体など、今更説明するまでも無い。
チラリとそちらへ目をやれば、パーカーのジッパーの間から、白い肉の谷間がほんの少しだけ顔を覗かせていた。
化学繊維の布地に密閉されていた肌は、蒸れて薄っすらと汗ばんでいるようにも見える。

「スゥ……スゥ……んッ」

見るからに窮屈そうな肉果実は、あと5p程下げてやればジッパーが耐えきれずに弾けて、服の中から零れ落ちてしまいそう。
尤も、よっぽどの痴女でもない限り、パーカーの下はノーブラだなんて恰好をする筈もないから、その心配は杞憂だろうけれど。
体を支えるふりをして、彼女の胸を下から持ち上げたとしても、咎める者は周囲にはいない。
正しく全身で男の理性を責め立てながら、それでいて表情だけは穢れを知らない妖精のように安らいでいた。

「もう、意地悪……ですわ……っ」

夢の中で、懐かしい父親にじゃれついてでもいるのか。寝言を呟くピンクの唇が、男の顔のすぐそばに来ている。
膝に乗せられた右手が、ほんの少し太ももの方へと滑って、指先と男の股間との距離が縮まった。
二の腕に伝わるメートル越えの爆乳の圧力が、ほんの少しだけ増した。
じわじわと、距離が縮まっていく。
じわじわと、圧力が強まっていく。
あと少し。
あと少しで、胸の谷間が完全に男の腕を挟み込み。
あと少しで、彼女の白い指先が、男の勃起へとズボン越しに触れる――無垢な寝顔の、清楚さを絵に描いたような美貌の少女の指が、薄汚い浮浪者の股間へと触れてしまう。
その気になれば、少し顔を動かすだけで奪えるほどに、エリカの唇が近づいている。
自然と不自然、無作為と作為のどちらともとれる状況。
傍から見れば、浮浪者を誘惑する痴女としか思えないポーズのまま、けれどその顔だけは純真無垢で、汚すことを躊躇わせるような雰囲気をまとっていて。
男の良心と欲望とのせめぎ合う様を、一番間近で楽しみながら、爆乳露出狂のエリカは全力で天使のような少女を演じ切っていた。

【むう、中々やりますわね!(棒読み】
【では、第二波ですわ♪】