>>160
(ルシィールがナイフを手に取り、周囲を威嚇するように構える。が、戦うための訓練を受けていない事が丸分かりでは何の脅威にもならない。)
(キャンキャンと吠えている子犬が、鼻面に皺をよせ小さな牙を剥き出しにしている方が、まだ噛みつかれたときに怪我をする可能性があるだろう。)
(ルシィールの渾身の威嚇が、佇んでいたメイド達の失笑を誘う。ガランとした殺風景な空間にクスクスと控えめに、だがハッキリとルシィールを嘲る笑いがさざ波のように広がって)

馬鹿なこと、と思いますか?私から…私達から言わせれば馬鹿なことを言っているのは貴女の方ですよ。
貴女は、今の自分の立場を理解できていますか?本来なら跪き命乞いをするべきなのですよ?なのに、そのような態度でいられては…
(ルシィールを嘲笑うメイド達を止めようともせず、本当に仕方がない小娘だと言わんばかりに忠告めいたことを言うと、ソファからおもむろに立ち上がる。)

貴女の…いえ、貴女のお父様の土地は我が帝国のものとなりました。そこに住む領民も一切合切含めて、今は私の支配下にあります。
正確には帝国直轄領の防衛を任されているのですが…まぁ、大きな違いはありません。いずれは私がこの地を陛下より賜る可能性もありますしね。
(天性の身体能力を更に鍛え上げたしなやかな肢体を見せびらかすように堂々と、その長身に見合う大きな歩幅で、ゆっくりとルシィールに近づく。)
(流暢な王国公用語に加え、貴族として育てられ洗練された振る舞いや適度に寛げた軍装は、王国内でも諸外国でも婦女子が憧れる「男装の麗人」そのもの。)

勿論、「一切合切」の中に貴女も含まれていますよ。今回の侵攻作戦の褒賞として私が賜ったのです。
そう、貴女は私のモノです。私が自分のモノに何をしようと、私の自由です。
貴女だって、自分の物は自由にできるでしょう?それと、同じことです。
辱めようが、穢そうが、壊そうが、誰にも文句は言わせません、例え貴女であっても…まぁ、貴女には文句を言う権利すらありませんが
(言葉を連ねながら、一歩一歩ルシィールとの距離を詰めていく。ルシィールが刃物を構えていようとまるでお構いなしに、彼我の距離を縮める。)
(その態度は、戦う術を知らないルシィールから見れば、まるで隙だらけの、ナイフを突き出せば憎い侵略者に鉄槌を下せる、と勘違いさせるには十分であった)


【思わず夢中になって時間を忘れてしまいました。】
【大変お待たせしました。こちらも、ルシィール様のレスを色々と削っての投下になります】
【とにもかくにも、しばらくの時間、よろしくお願いします。】