(荒野の真ん中で、二台のクルマが停められている)
(その間で焚き火を焚き、お茶を沸かしてカップに注ぐ)
(熱いそれをふうふう吹いて冷まし、少しずつ啜っていると、クルマのうちバギータイプの運転席で、何かが動く音がした)

お、起きたか……なにか覚えてるか?
お前、バルカンサソリの麻痺弾食らって食われかけてたんだぜ?
偶々俺が通りかからなきゃ、奴らに食われてるか、卵産み付けられて巣の中だ。
せいぜい感謝してくれよ?
(そっちを向かずに、ひらひらと手を振ってみせる)

ああ、それと、ライトあるか?
ダッシュボードに写真あるだろ、見てみろ。
(ダッシュボードには、言われたとおりに数枚の写真)
(そこには、バギーのボンネットにうつ伏せにされ、股間から白い粘性のある液体を垂らしている女の姿や)
(逆にボンネットの上に寝そべり、服をまくりあげられ、形の良い胸に白い液体を飛び散らせた女の姿)
(それはどう見ても、その写真を見ている本人……リーズのもので)

どうも、ごちそうさまっと。
嘘だと思うなら、股ぐら触ってみな、まだ中に残ってんだろ。

ああ、まあ、解ってっと思うが、それが全部じゃねえぞ。
それをバラ撒かれたくなけりゃ、ってやつだ。
ここで俺を殺しゃ良いかもしれんが……麻痺毒の残った身体で殺れるほど弱くはねえぞ?
安心しろ、明日には街まで連れてってやる。クルマも一緒にな。
――これから、『仲良く』しようぜ?
(そう言うと、そこで初めて向き直り)
(ニヤリ、と笑ってみせた)

【待たせたな、助けたその場でヤッちまった】
【じゃ、よろしく頼むぜ?】