>>254
ひっっ!!嫌っ…嫌ァッ!!もう…もう十分でしょう!?
血がっ…血がいっぱい出て……っ!!ああッ!!酷いっ!!爪がっ…爪が全部剥がされてるわッ!!
〜〜〜〜ッ!!さ、さっき引っ掻いたことなら謝るわっ!!お仕置きにしてもやり過ぎ……ぁぁっ!!痛いっっ!!痛いっっ!!!
本当に痛いのよっっ……ッッ!!それにこんなっっ…こんな傷直ぐには治らないわっっ!!だって爪が全部無いのよっ!?
ア゛っぁっ!!痛いっっ…痛いぃっッ!!!おっっ…お願いしますっっ!!もう…もう許して……くだっ…下さいっ……ッッ…!
(反抗の代償は当然痛み――――シンプルな仕組みだが本の数日前までは紛れもなく権力者の娘であり、そしてほんの数分前までは暴力の味など知らなかったルシィールは時として感情に流されてそのシンプルなルールでさえ破ってしまうだろう)
(その都度そのルールは苦痛によって再度叩き込まれる――――これもシンプルな仕組みだった)
(それはルシィールがルールを頭だけでなく、身体と心でしっかりと覚えるまで続けられるだろう。本来ならばルシィールは幾度となく与えられる躾――或いは主人の気まぐれによる暴力――を耐える身体は持っていないが)
(帝国のみが保有する錬金術がルシィールに本来耐えられる筈もない躾をかろうじて生き延びさせる―――それがルシィールにとって幸いであるかは別の話だが……)
(今は錯乱しているルシィールにあそこまで破壊された自分の腕と指が元通りになっていることの理由にまで考えが及ばない―――今のルシィールにとっては現在受けようとしている痛みの方がずっと重要だった)
(イリーナの冷静に…それこそ諭すようにルシィールに許しを与えないと告げる静かな姿が、かえって自分に希望がないことを端的に告げられているようでルシィールを絶望させた)

や…やめっ―――ひゃぁんっっ!!!!ンっ…い、イヤッ!!あぁっっ!!あっ……ンンっ!!
ァッ!!あっ…ン!!や、やめ―――――嫌ァッッ!!!嫌ッッ!!!やめっ…止めてェェぇぇぇっぇぇぇぇ!!!!!!!!!
やめ――――――ア゛ア゛アアア゛アアアアアアッ!!!
……ひっぐっ……!!ううっ!!もう爪……剥がさない……でぇっ……ッ……
(再びルシィールの指が一本イリーナの口に咥えられる……そうしてまた口内で巧みな愛撫を受けてルシィールは艶っぽい声を漏らしてしまうが)
(先程受けたときと異なるのはこの戯れの愛撫の後どうなるかを既に知っていること……快楽を受けてしまっても死刑宣告を受けた死刑囚がその執行までの待機をしているかのような、確実に訪れる実刑を待つような心地の悪さが常に心にある)
(それに……相手はイリーナだ。憎むべき侵略者によって快感を与えられること…それ自体が屈辱以外の何者でもない)
(一時は未知の快楽に流され、あろうことかイリーナに強請るような視線を向けてしまったが―――――それ自体が恥辱と苦痛に他ならない。自己嫌悪に陥らせるという意味では、これまでの精神的な屈辱とはまた違った趣でルシィールを苦しめていた)
(そしてやはり訪れる刑の執行―――中指の爪先をイリーナが歯で咥えており、ルシィールは先程決して自分が許されないことを宣告されながらも、それでも懸命に許しを懇願した)
(―――――だが無意味だ。人差し指のときと同じように中指の爪は食いちぎられ、鮮血と飛沫と共に絶叫が上がる)
ァッ……ンっ…・…!!お、お願いっ……お願いします!!ぁっっ!!許して下さいっ許して下さいっ許して下さいっ許して下さいっ許して下さいっ!!
許して下さいっ許して下さいっ許して下さいっ許して下さいっ許してくだ―――――ヒッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!
(次いで薬指の爪も食いちぎられた。ルシィールの胸にこれで3つの爪が落とされ、残る小指を愛撫されたとき……すでに快感は苦痛の前触れだと身体が覚えてしまい、まるで指にヤスリをかけられているような心地悪さを感じるようになってしまう)
(そして絶叫が響く……そして次は親指……それが済むともう片方の腕の人差し指から順番に仕置が繰り返される。同じことを繰り返していてもルシィールの絶叫が弱まることはない……)

はっっ……ァッ……
(イリーナがもう片方の手の中指の爪を食いちぎったとき、体力と精神の限界なのか、先程腕を破壊されたときのようにルシィールの意識が沈んでしまった)
(片方の手は親指から小指まで……もう片方は中指までだが鮮血に染まり、一見するとまるで濃いマニキュアを塗ったように見えるだろう)
(身体を痙攣させて泡を吹く元令嬢の無様かつ痛々しい姿…腕を破壊されたときよりも出血はずっと少ないが、それでも床には生臭さを感じさる血溜まりが出来ていた)