(エントランスを後にして、メイドに先導されて自らの私室に戻る。)
(貴族当主の部屋にしてはシンプルな内装は、イリーナがその方面においてまったく興味を示さない所為で、他者から見れば無個性で余計に無機質さを感じさせることだろう。)
(そもそも軍人としての気質が強すぎるイリーナは、多少環境が悪かろうが平然としていられるのと、多忙の為この部屋を利用する機会は多くないだろうことが分かっているので、この無難さが丁度いいとさえ感じている。)

(前室である応接を抜け、奥の主寝室に着いたイリーナは、メイドに世話をされながらルシールの血で汚れた顔や手足、胸元を洗い、清潔なタオルで脇や股間を軽く清拭する。)
(饐えた悪臭を放つ陰部をそのままにしてルシールに奉仕させるのも魅力的ではあるが、度を越せばルシールも奉仕どころではないだろうし、それでは自分が楽しめそうにない故の処置であり、ルシールにとって左程ありがたい事ではないかもしれない。)
(身を清め終え、メイリンに用意させた下着と夜着を纏う。豪奢なレースが大部分を覆い、紅色の胸の先端の存在が僅かに窺える程度のブラジャー。ショーツは股上が浅く、「女性」にしては不自然に盛り上る股間が収納した内容物を強調する。)
(それら全てをひざ下まで届くネグリジェで隠し、侍女に髪を梳かせながら、革製の眼帯も布製のもの交換し、最後に香水を纏う。)

(全ての身支度を整えたイリーナは、主寝室を後にして応接へと戻りソファに深々と身を沈め、メイド達に「初夜」に使うための様々な「道具」の準備をさせる。)
(ワゴンに乗せられたそれらのモノが十分であることを確認し、寝室へと運ばせると、メイリンを残し他の侍女たちを下がらせる。)
(メイリンに用意させた軽い酒精で口を湿らせて待つこと暫し、望んでいたノックの音が室内に響く。)

(入室の許可を与えるとゆっくりと扉が開き、躊躇いを隠し切れない様子のルシールの姿が見える。)
(部屋に入り、閉まった扉のすぐ前、奥のソファに腰かけたイリーナから一番遠い場所で、身に纏う下品な衣装を懸命に隠そうとガウンをきつく握り、身を縮こまらせた王国の元令嬢がたどたどしい帝国語を唇から紡ぎ出す。)

まだまだ練習が足りないようですね…ですが、私を楽しませようと言う貴女の心は伝わりました、その点は褒めてあげましょう。
さあ、そんなところに突っ立っていないで、早速ですが、私を楽しませて下さい。どのようにして楽しませてくれるのか、期待していますよ、ルシール…
(ばあやの言葉が正しかったのか、ルシールが帝国語を口にしたことでイリーナの口元が綻ぶ。ルシールにとっては全くの不本意で、心から目の前の帝国軍人を楽しませようとは思ってもいないだろうが)
(その言葉尻を捉えて、わざと具体的な行動を促すのではなく、あくまでもルシールの意思で動くようにと命じる。)
(勿論、夜伽の経験などなく、愛する夫との優しい行為を夢見ていた少女に何ができるでもないだろうが、その顔が羞恥と屈辱で歪むのを楽しむのもよし)
(今はまだその気ではないが、我慢ができなくなれば無理やりにでも行為に及び、鳴き声と悲鳴を上げさせてもいい。)


【お言葉に甘えて、前部分はバッサリさせて頂いて、短めではありますが】
【このような感じでいかがでしょうか?】
【用意した「道具」に関しては、どんなものがいいか、ルシール様とご相談の上、と思っています。】
【一応、ピアシング等は別エピソードで、と言うのと】
【帝国軍で尋問用に使用される「痛覚が敏感になるクスリ」…実は神経が過敏になるので性感も上がる…みたいなのは考えていますが】
【ルシール様のご希望があれば、お聞かせ下さい。】