…は?何言って……っ!?

(意味ありげな言葉の直後、敵の姿がもといた場所から消える)
(直後、彼女の顔が眼前一杯に映り)
(懐に入られた――そう脳が理解するコンマ数秒早く、剣が弾かれ反撃の手段を失った)

…かはッ…

(首に圧迫感を感じ呼吸が妨げられる)
(喉に食いこむ敵の手を振り解こうと掴むより早く、背後に回られ彼女の姿が視界から消える)
(およそ人間の力ではあり得ないような怪力が細い首を締め上げた)

…ぁ゛ッ、は…ぐ、ぅぁあああぁああ…っ……!
(ギリギリと絞められる苦しみに呻く)
(窒息するのが先か、首の骨を砕かれるのが先か)
(すぐそばに迫る「死」に抵抗しようと両手で敵の手を解こうともがく)
(――が、不意に苦しみが無くなり敵が手を離す)

…っかはっ…ゲホゲホッ…!…はぁ、はぁ…
(突然解放された呼吸にその場に崩れ落ちて喉を抑えて咳き込む)
(見上げれば敵は翼を羽ばたかせどこへともなく去って行った)

な、なんだぁ?アイツ…
(わけもわからず小さくなっていくその姿を見ていることしかできなかった)