>>78
ありがとう……ございます…
(仕事のことで褒められれば表情こそあまり変えなくても内心では安どと喜びが溢れてくるのがいつものこと)
(それなのに水着が似合っていると褒められても、複雑そうに視線を伏せたままになってしまう)
(それだけでなく、火照っていることを指摘され、恥じらう様まで良いと言われてしまうと)
(更に頬の紅潮が増して普段誰にも見せたことのないような赤面顔になっていく)
(テレビや写真では勿論のこと家族にすらそんな顔を向けたことはない)
(初めての表情を初対面のカメラマンに見せてしまい、更にはそれ以外の初めても次々と目にされることに…)
こ、こうでしょうか……
(服を着た状態でも手を大きく上げるような真似はしない)
(それなのに言われるがまま水着姿でそうしてしまうと、露葉の白い腋が無防備に晒されていく)
(避けていた視線も指示をされてしまうとカメラに向けるしかなくて、俯いていた顔が上向く)
(下から見上げる瞳は潤んでいるようにも見えて、困ったように八の字になった眉も併せて庇護欲をそそる)
(……恰好やポーズも合わせてみれば、嗜虐心を煽ってしまう結果にもなりそうでもあったけれど)
……きゃ…っ…
(指示に従っているつもりだったのに、直接指導が入ってしまう)
(上手くできていないことが、露葉のプライドを刺激する)
(けれどそれよりも別のことが大きな出来事で、直接触られた瞬間、口から小さな悲鳴のような声が漏れた)
(人に、男の人に、肌を触られるなんて物心付いてからは無かった出来事)
(腰に、それからお尻にと軽くではあっても触れてしまうと、そのことに対する動揺が心を占めて)
(水着がズレてしまったことについてはまるで気付いていなかった)

(指示され指導されるまま、恥じらいや動揺があっても仕事だからと従い続ける露葉は望まれた通りのポーズを取る)
(ぎこちなさや硬さこそあっても、外見上はカメラマンの望んだものを提供できた)
(同時に、露葉がどれほど扱いやすいかも教えてしまった)
(華奢な体を過激な水着で装い見せつけるようなポーズのまま、次の指示を待っている)
(ご主人様に従順なペットか操り人形のように)