いや、馬鹿というか……
(一緒に泊まりでデートなんてシチュエーションにまで持ち込んだ男の感情を)
(理解できているのかな、というか)
(いくつの『あわよくば』が駆け巡っていると思っているのだと)
って、おいおい、大丈夫……みたいだな。
(迫って見せたらバランスを崩してひっくり返る芹ちゃん)
(幸い、芹ちゃんのカバンがクッションになって怪我はないようで)
(すぐに立ち上がって……何?)
いや待て、俺の言ってること聞いてたか、ねえ?
(そう言う眼の前で、テントのジッパーが閉じられる)
(――その向こうで聞こえる衣擦れの音と、小さなつぶやき)
(焦って追いかけてきた俺を引っ掛けるイタズラではないようだ)
(なんとなく落ち着いてしまって、もう一度椅子に座り直すと、クーラーボックスからもう一本チューハイの缶を取り出して)
(クピクピと飲みながら、暫し待つ)
(そして――)
……本当に着てきやがった。
(どこか自慢げ……に見せかけて、色々と失敗してしまったのを誤魔化すために強がっている芹ちゃん)
(その凄まじいボリュームの胸の先端ははっきりと水着の生地を盛り上げて)
(股間も強い食い込みでぷっくりと形を浮き上がらせている)
(思わず、残ったチューハイをごきゅごきゅと飲み干して)
俺、メチャクチャ我慢してるし、そんな状態で見せたらどうするかとか、ちゃんと言ったからな。
これ合意だからな。
(座った目でずい、と立ち上がり、芹ちゃんに近づく)
(両肩を掴み、ぐっと引き寄せ、腕を回す)
(片手は後頭部に回り、がっちりと押さえつけて、もう片手は腰に回り、強く引き寄せる)
(二人の間に隙間を無くすように密着させて、大きな胸を押しつぶしながら、唇に吸い付いた)
ちゅう――じゅうっ、ぬちゅっ、くちゅっ……じゅぷっ……じゅろ、じゅるっ……じゅぷっ、れる、れろぉ……
(唇を吸い上げ、口を開かせ、舌をねじ込んで口の中を舐め回す)
(舌を吸い上げて舌同士を絡め合い、唾液を送り込んで、考える間もなく思考を飛ばす)
(一通り口の中を蹂躙し、腕の力を弱め、舌を引き抜いて唇を離した)
(唇の間に唾液の橋がかかり、一瞬太陽の光に輝いて)
――テント入って、おっぱい出しな。
世の中の男がそのおっぱいに何したいと思ってるか、全部やってやるから。
(そう言って芹ちゃんを半回転させ、肩を押しながらテントの中に入っていく)
(他の客は近辺には――というか他には居ないようだが、一応ジッパーを閉めて外からは見えないようにしておいた)