イベント終了後、いそいそと私服に着替える。
ぴったりした黒いタートルネックのセーターに、ダークブラウンのタイトスカート。
黒いタイツ。
全体的に地味であるが、身体のメリハリがくっきり浮かび上がるチョイスの上から、やぼっためのダッフルコートを羽織る。
明日地元に帰ったときに目立たないためのアウターだった。

ホテルの指定された部屋をノックすると、入ってくるように促される。
室内に入って、ベッドに腰掛けている人物を見て、血の気が引くようになる。
同じ文科系サークル棟で何度か見かけ、部活のメンバーから名前は聞いたことがある。
「本庄さん…なんで、こんなところに…」
(知り合いがいないと思って、あんなコスプレをしていたのに…)
言い訳をしなくてはと焦るが、会う合うというばかりで何も言葉を紡ぐことはできなかった。

【こちらが先行したのに合わせていただいてありがとうございます】
【裏垢名がないと呼びづらいですね。裏垢名は美沙梨(みさり)で御願いします】