(街灯も少ないせいかとっても暗い夜道、夜に現れた魔物や怪人を倒しに行ったときのいつもの風景)
(今日の魔物は余裕だったね、ソレイユの補助のおかげだよだなんて、とお互いに褒めあいながら進んでいくと弾む会話を遮るような悲鳴が聞こえる)
(二人で示しあうように顔を合わせて首を縦に振ると、急いでその悲鳴のもとへと向かう)
(そこには魔物と、魔物に襲われるスーツ姿があった、すかさず仲間は「男の人の診てあげて!」と言って、魔物に牽制の一撃を加える)
――――大丈夫ですか!
(その一撃を受け一目散に逃げ出す魔物、仲間もそれを追うように駆け出し一瞬で姿が見えなくなってしまった)
(残されたのは二人だけ、わたしはその姿を認めると思わず変身を解除してしまう。お互いに顔を知る間柄だったからだ)
(かといって魔物に襲われ傷ついているに違いない相手を放っておくわけにはいかない)
頭にケガは……、ない……身体、腕……脚……
(手から微かな癒しの波動を放ちながら、ケガを負ったところがないかと相手を慎重に診るもケガどころか、さっきまで地面に触れていた部分以外は土一つついていない)
(それだったらさっきの悲鳴は何だったんだろうか、と首を傾げるもすぐさま相手の体の異常に気が付く)
(仮説が正しいとすれば距離を取る時間も残されてはいない、まだ相手の意識がないと思われるうちに変身しないと)
(そう思い、『変身っ』と短く口にして変身アイテムを掲げて体中に魔力を展開させようとするのだが……)
【お待たせしましたー】