>>30
ぅ、ぁ……ぁ……ぅ……………
(まどろみの中を只管に揺蕩う様な気持ち)
(何もかも忘れて使命すらも忘れただ、このまま>>30
ぅ、ぁ……ぁ……ぅ……………
(まどろみの中を只管に揺蕩う様な気持ち)
(何もかも忘れて使命すらも忘れただ、このままどこまでも…そう思い始めた時だ)

『今の君は……何者だい?色んなものが無くなったナオは、はたしてなんなんだい?なんだったんだい?』

え………私は…何者…うあっ!?な、なんや…え、あ、あぁ……!
(突如として周囲の気配が一変し、突如として安寧が崩壊する)
(何かにすがろうと必死でもがくナオだが、何もつかめずどんどん沈んでいく。)
(こわい、こわい…自分が何者かわからない。幸せだった筈が一瞬でなくなっていく。)
(自分が解らない故に崩壊していく様なイメージがわいてくる。溜まらず涙目になり、蹲る。そんな中だった)

『君は幸せだ。そうだった。ならば、最も幸せな何かであったはず。そうだろう?』
そう……私は、幸せだった……凄く気持ちいい、心地いい中で…何も考えずに…全て忘れて
心地よい気持ちに浸ってて…それなのに、今、なにもわからなくなって…
『君は幸せの絶頂にあった。ならば、幸せの絶頂が君だ。人の幸せの絶頂は――素敵な人を得て、未来を得て、祝福を得る瞬間』
『そう、お嫁さんだ。君はお嫁さん……そうだよね?』

そう…なんか……?私は、幸せの絶頂…うん、幸せだった…素敵な人…貴方は………
優しい声をかけてくれる貴方は……そう、私は……お嫁さん……およめ、さんは…幸せ……
(言葉が空っぽの中にどんどん染み込んでくる。全てを失い自分が何者かさえわからない今のナオに深く突き刺さる)
(自分はお嫁さんなのだと強制的に理解させられていく)