>>37
(他の全てを排し、唯一、植え付けた『幸せな花嫁』の空虚な概念に、ナオを染め上げ)
(青い、心地よい世界から浮上し……)

……おはよう、ナオ。私の素敵なお嫁さん
(低く、落ちついた声。それは、青い水のなか、全てを示してくれた幸せな声と同じ声)
(ナオがお嫁さんであることを、追認する言葉)

ナオ、最後の贈り物を。これは私の先祖かは伝えられた、強力な力を持つ石を使ったもの……君の幸せに捧げる、古いもの。
(プラチナのリングの上、禍々しくも、純粋で透き通った、赤黒い宝石を嵌めたリング)
(それは、遥か古の魔力に満ち満ちた、現代に片手の数残っているかどうかの品)

この指輪に、契りの魔術を埋めたよ。君に究極の幸福を与える。代わりに、君は未来永劫……万が一どちらかが命を落としても、その魂が生まれ変わった先でも、私と君は夫婦であり続ける。
究極の誓いを、神代より伝わる魔力でもって、結ぼう。
受け取ってくれるね、私のお嫁さん?
(指輪を捧げ持ちながら、返事を待つ)

【すいません、お待たせいたしました】