>>38
あんたは………………それに、贈り物って……あっ………
(夢か幻か。あの心地よい空間で何度も聞こえた声の主が、今目の前にいる。)
(自分が何者であるのか分からなかったときに優しく教えてくれた声の人に間違いない。)
(最早目の前の悪魔を悪魔であると認識さえ出来ていないレベルにまで暗示が浸透してしまって)
(同時に自分が花嫁であるという事を刷り込まれ、そして今求婚を受けているのだと感じ取って)

……綺麗…これ……私に………。

(目の前に差し出されたどこか禍々しい光を放つ赤黒い宝石が嵌められたプラチナリング)
(それを見ているとどこまでも吸い込まれそうな感覚に陥る。しかしそれから目が離せない…)
(目の前で手前勝手な事をつらつらと並べたてられていく。正気のナオであれば難なく跳ね返せたであろう言霊による誘導だが)
(今のトランス状態とも言える状況ではその言葉一つ一つがどんどん染み込んでいくようで)

永遠の…契り…究極の…幸福……未来永劫……例え、死んでも…
魂が生まれ変わっても……私は…貴方と………夫婦に……
(目の前で求婚を迫られ、そして…返事をしてしまう)

……はい………。受け取り、ます…私は…貴方の……お嫁さん……
どうか、私を……幸せに…して…ください……♪