元気のいい声と共にテーブルに何かが置かれる音。
スマホの画面上に並ぶニュースから視線を移せば、あたしを真っすぐに見つめる少年がそこにいた。

「だからさぁ、子供がそんなイチイチ気ぃ回さなくてもいいんだぞぉ?お得意様を接待するサラリーマンかっての☆」

滞りなくお茶の用意を完遂した少年――達也クンにあたしは何度目かのお決まりの台詞を返す。
こんな一回りも年下の子をお茶係として使っているだなんて、傍目から見られて誤解されでもしたらめんどくさい。
そりゃあ、こんな良い子に慕われること自体はとても嬉しいのだけど。

「――ねぇ達也クン、何回も聞いて悪いんだけども。ほんっとーにあたしなんかと一緒にいて良いの?」

クレープに噛り付きながら彼に問いかけてみる。今からでも気変わりはないものか、と一縷のカマ掛けを忍ばせながら。
いや甘いものが嫌いな女子なんていないっしょ。

「なんてゆーの?いろいろ学ぶにしてもさ、もっとちゃんといろいろやってくれるオトナの人を慕った方が……うわ何コレうまっ」


【宜しくお願いします〜】