(突然のゲリラ豪雨、昼間だと言うのに陰った空から叩きつけるような雨が降る)
(だが、【彼】は……全く濡れずに、人だかりの中にいた)
(最初からそこにいたのだ。物色するためのポジション取り、とでも言うべきか)
(キャップを目元深く被り、視線だけはギラついて辺りを睨む)
(濡れて透けた女性たちの素肌、淡く色づく下着の影)
(隠れてそれを拝む趣味を、それより先に逸脱することも厭わない悪癖を持った男は)
(その日、出逢ってしまう。彼曰くの、運命の人に)
(末尾9)
(溢れんばかりの巨乳を包んだ下着の透ける具合)
(それを覆い隠して恥じらう若い双眸)
(今ばかりは天の差配に感謝すら覚えた、そのときである)
(余計な手出しが、彼女への視線を妨害した)
(無償の善意ほど面倒なものはない。スカーフに隠され、彼女の秘められた胸元は見えなくなった)
(思わず舌打ちしてしまったが、慌ててわざと距離を取り仕切り直しを図る)
(初手で顔を覚えられるなどあっては、この趣味においては片手落ちも良いところだ)
(そうして、遠巻きから憂いを帯びた表情を眺めて、目に焼き付ける)
(濡れてなお引き立つ美しさと、疲労の残りか下がる眉目に)
(股間が自然と熱を帯びるのを感じた)
(そうして、長いようで短いひとときが終わり、雨が止む)
(人々は安堵や悪態を呟きながら散っていく、その流れに紛れながら彼女の動向を見計らった)
(彼女はそのまま大きなビルの中へと入っていく)
(本人はもとより、周りの人間にバレても良くはない)
(まずはビルの名前……警備員の有無……受付があるならでっち上げる要件など)
(彼女の行き先を追跡しながら、頭を働かせた)
【よろしくお願いします】
【このような風でよろしいでしょうか?何分初めてなため、ご意見あればありがたく頂戴致します】