……っ!!
(生物の尾はナイフの刃で切断できるほどのものではなく、その硬度でむしろリンの体力をさらに削っていた)
(もはやこの生物に対して対処する術は見つからないと精神的に追いつめられていくと更なる脅威がリンを襲っていた)
!?
(喉奥に押し込まれた管から卵と思しき物体が排出され、それらは彼女の体内に押し込まれる)
―――っ!!
(暴れ、もがくことが自身の生命を無意味に短くする行為だとわかっていてもリンはその助教を受け入れられずもがいていた)
(引き剥がせない生物を掴んで、ナイフを手放し両手で生物を掴むが、外れることのないその生き物に無駄な抵抗をすることしかできなかった)
……
(いくつもの卵が自身の体内に産み付けられる感覚を覚えながらリンの意識は徐々に暗転していく)
……げほっげほっ…………
(しばらくして意識を取り戻すと、体内に残る異物感と喉奥に残る不快感でリンは目を覚ました)
……くっ……中に…………
(体内に感じる違和感はあの生物の卵を植え付けられたものによる感覚というのはリンも理解はしていたが、対処する術も見つからなかった)
(ワイシャツの襟にはあの生物の尾を切った際に出た体液が付着しており、不快感を覚えるがその程度のことで脱ぐわけにもいかず、口元と首回りを袖で拭う)
装備を……回収しておかないと……
(現状を打開する術を見つけるためにまずはペンライトとナイフを探す)