人も寄り付かない鬱蒼と生い茂る木々の中、その先にある岸壁を削り取る様な形で作られたソレは存在した。
広がる自然の景色の中に異様に存在感を放つ人工物。
その重々しい雰囲気を醸し出す鉄の扉は、その身を蔦に絡み付かれながらも鎮座していた。
ーーーかつて、遥か昔の大戦中に生物実験施設として岸壁をくり貫き、地下に作られた巨大なこの極秘施設。
しかし、大戦末期に実験中に起きた事故により職員は全滅、外部への漏洩を防ぐ為に施設は封印されてしまった
しかし、幾許の時が流れても資料としては施設の存在は明記されており、その存在を見つけた欲に塗れた役人達は我先にとその施設の実験成果を得ようとし動き出す。
そして、依頼を受けた1人の女エージェントがやって来るーーー