「あら、人は普通首輪を着けてリードで引かれて半裸で歩いたりしないわよ?
今の伊織はむしろ衣装を着せられた犬に近い格好じゃない?」
(雌狗呼ばわりされてムッとした沙織に現状を再認識させる)
(二人が案内された個室の中は三面が黒塗りの壁で、一人掛けのソファとテーブル類などがあるだけだった)
”お飲み物は如何いたしますか?”
「そうね、私は赤ワインで。伊織にはミルクをお願い」
「何しているの?伊織はペットなんだから床に座りなさい」
(黒服が退室するとソファに座り、所在なさげにしている沙織に命じる)
(やがて先ほどの黒服がトレイに注文の品を載せ入室してくる、テーブルにシャンパンが丁寧に置かれ
片や沙織のミルクは犬の餌入れに入れられて乱暴に沙織の前に置かれる)
「さぁ伊織、召し上がれ。犬のように這い蹲って舌でミルクを舐め取るのよ。もうすぐショーが始まるでしょうから」
(混乱する沙織に対して屈辱的な命令を降す)
【えぇ、そうよ。初めからバレエヒールにしておけば良かったわね。ごめんなさい】